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商船三井が22年度経営計画、3年間で1兆円投資へ

2022年5月2日 (月)

ロジスティクス商船三井は28日、2022年度経営計画「Rollong Plan(ローリングプラン)2022」(RP2022)を策定したと発表した。21年度計画「Rollong Plan 2021」(RP2021)を継承するとともに、サステナビリティ計画を更新しDX(デジタルトランスフォーメーション)化に向けた取り組みを追加。22年度から24年度までの3年間で総額1兆円の投資を見込む。

22年度以降は、「ポートフォリオ戦略」「環境戦略」「地域戦略」の3つの戦略を着実に実行することで、各事業の持続的な成長を図っていく。コンテナ船市況については、新型コロナウイルス感染拡大による海上コンテナ輸送の混乱が落ち着くことにより、21年度業績をピークとする極端な高水準からは落ち着くと想定。経常利益は22年度で21年度比27.3%減の5250億円を見込む。内訳は、ドライバルク営業本部(鉄鋼原料船など)300億円▽エネルギー営業本部(油送船、石炭船、LNG船など)220億円▽製品輸送・不動産営業本部(自動車船、港湾ロジスティクスなど)4770億円――など。

(出所:商船三井「Rollong Plan2022」)

22年度から3年間における新規で7300億円の投資計画は、代替燃料船隊整備で2450億円、低・脱炭素エネルギー事業拡大で1150億円、事業拡充・資産拡大・M&Aなどで3700億円。21年度末時点で決定済みの投資計画総額2700億円を含めた1兆円が24年度までの全体の投資計画となる。

具体的な事業戦略は、非海運事業の利益水準を21年度実績の140億円から35年に600億円から800億円に引き上げる方針を掲げる。その第一歩として22年度の事業方針では、海運分野で低・脱炭素化の流れを受けた代替エネルギーの輸送需要だけでなく、サプライチェーンの上流部分への投資機会を継続して追求していくとともに、非海運分野で海洋・洋上風力発電・物流・不動産へ引き続き積極的な投資を進める意思を明確にした。

地域戦略では、アジア地域を2つに分けてそれぞれ地域担当役員と総代表を設置。南アジア・中東地域担当役員に現地事情に通じたインド出身者を起用するなど、現地の実情に応じた運営態勢を構築。成長市場であるインドをパイロットケースとして、本社事業部と地域営業組織の新たな連携体制を模索していく。さらに、ロシア・ウクライナ情勢の変化に適切に対応も推進する。

事業運営におけるDX化については、商船三井と業界の未来像を踏まえた⻑期的な「ありたい姿」を設定したうえで必要な取り組みを抽出して「MOL-DX Vision」を22年度下期までに策定する考えを示した。ポートフォリオと環境、地域の3つの戦略を実行するうえでデータマネジメントを高度化することで顧客ニーズに対応する「事業戦略のDX」、社内に分散する情報のオープン化・集約化・自動化を推進して生産性を向上する「働き方のDX」、DX人材のさらなる育成や機能ごとの組織集約を通じたサービス品質コスト競争力の改善を図る「組織のDX」の3つの論点を柱とする。