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日本郵船、燃料消費削減効果のある添加剤を開発

2022年5月13日 (金)

環境・CSR日本郵船とグループの日本油化工業(横浜市中区)は13日、適合燃料油の「スラッジ分散」と燃料消費削減に効果のある新燃料油添加剤「ユニック800Eco(エコ)」を共同で開発したと発表した。

▲洗浄機のスラッジトラブル事例(出所:日本郵船)

スラッジ分散は、原油タンクやタンカー船槽内に堆積する沈殿物が引き起こす現象で、燃料油中に生じる固形物でフィルターを詰まらせる原因となる。

日本郵船と日本油化工業は硫黄酸化物規制への対応策の一つとして、硫黄分0.5%以下の適合燃料油の性状を研究。2019年にはスラッジ分散型燃料油添加剤「ユニック800VLS」を開発した。

ユニック800VLSは適合燃料油の安定性不良に対して効果を発揮する一方で、それ自体の性状や性質が多様化している現状を踏まえて、さらなる汎用性と性能向上を目的とした新燃料油添加剤の開発に着手。ユニック800エコの開発準備を進めてきた。

ユニック800エコは、スラッジ分散効果をより高めるとともに燃焼改善効果を加えることにも成功。これまで国内外の適合油で3回実施した燃料消費削減試験では、添加剤不使用時と比較して燃費で最大で1.2%の低減効果が得られたほか、排気ガスで一酸化炭素などの削減効果が認められた。

日本郵船と日本油化工業は、今回の新燃料油添加剤の開発を契機として、現状のスラッジ分散効果を維持しながら、より汎用性の高い添加剤の開発に取り組むことにより、船舶から排出される二酸化炭素の削減に貢献していく。