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トナミと第一貨物が協業開始、静岡で支店施設を共用

2022年6月2日 (木)

ロジスティクストラック運送のトナミ運輸(富山県高岡市)と第一貨物(山形市)は1日、静岡県内で支店施設の共用と地域共同配送を6月13日に始めると発表した。2021年2月にそれぞれの持株会社が結んだ資本業務提携に基づく、初めての協業となる。物流事業の経営環境が厳しさを増す中、両社はこれを手始めに幹線輸送などにも協業を拡大する方針だ。

(イメージ)

トナミ運輸を中核会社とするトナミホールディングスと、第一貨物の持株会社ディー・ティー・ホールディングス(DTHD、山形市)は21年2月に株式の持ち合いをベースとする資本業務提携を結び、それ以降、具体的な協業内容を検討してきた。

両社の発表によると、第1弾となる今回の協業では、まず、トナミ運輸が特別積み合わせ貨物運送施設である静岡支店(静岡市駿河区)を4キロ離れた第一貨物の静岡支店内(同)に移転し、付帯施設を共用する。第一貨物は施設の稼働率を高められ、トナミ運輸は狭く老朽化した施設を脱し、業務スペースを1.5倍に広げられる。施設内での両社の営業スペースは区分けし、互いの営業情報が相手に漏れないよう厳格な情報隔離を講じる。

次に、静岡県内の担当エリアで共同の地域配送を行う。個別に配送するより、配送車両を効率的に運用でき、生産性が高まる。

両社はこれに続き、それぞれの独自性を維持しながら物流拠点の相互活用・輸配送業務の効率化に向け、さらなる協業の検討を進める。幹線輸送での相互補完や集荷・配送業務でのITシステム共用化を視野に入れている。温室効果ガスの排出削減や従業員の働き方改革といった社会課題にも取り組む。

トナミHDとDTHDは、慢性化したトラックドライバーの不足や高齢化、働き方改革の進展といった物流事業の環境変化に対し、単独でビジネスを拡大・成長させることが難しいとして協業の具体化を検討してきた。