イベント印刷関連機器を中心とした技術開発を手がけるアイエヌジー(大阪市中央区)は22日、「第3回関西物流展」で、独自開発の転写シート(スマートペーパー)を活用した「注意喚起表示用サイン」を披露。来場者の関心を集めた。
倉庫をはじめとする物流現場では、多くの従業員が運ばれてきた荷物の入出庫や仕分け、検品などの作業を行う傍らで、フォークリフトや台車が荷物を搬送するなど、危険因子があふれているのが実情だ。さらに、地震や洪水などの自然災害や火災などのリスク対策も課題になっている。
アイエヌジーは、UVインクジェットプリンターの基本性能に転写印刷技術を融合させることで、できそうでできなかった床面への印刷を可能とするUV転写印刷技術に強みを持つ。こうした技術を活用して、倉庫の床面や敷地の路面にUV転写印刷を施すことでより効果的な注意喚起につなげることはできないかと発案した。
床面表示サインといえば、シールタイプが一般的だ。UV転写印刷の優位性は、表示部分が汚れにくく、剥がれないことだ。アイエヌジーは、関西物流展で「フォークリフトが繰り返し通過しても剥がれない高い追従性」と「誰でも一目で注意事項を理解できる視認性」における圧倒的な優位性を訴求。出展ブースには、鮮やかな色合いで思わず見入ってしまうサインの使用イメージを紹介。導入実績が増えていることも、さらなる事業拡大の動機になっているようだ。
アイエヌジーは、地盤の関西だけでなく関東や九州でも施工業の代理店を確保。注意喚起表示用サインのビジネスを本格的に全国展開する基盤の構築を進めている。森井智子・代表取締役は「社会のインフラである物流現場の安全を確保するための取り組みとして、今後も注意喚起表示用サインの提案力を高めていく」と意気込む。物流の安全を支援する取り組みは、まさに「アイエヌジー」(現在進行形)だ。