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アサヒビールが佐賀県鳥栖市に新工場、物流の適地

2022年6月23日 (木)

フードアサヒビール(東京都墨田区)は23日、博多工場(福岡市博多区)の移転先として佐賀県鳥栖市を候補地としたと発表した。九州各地への輸配送距離を短縮できる物流面のメリットが、鳥栖市を選んだ理由の一つという。

発表によると、移転により新九州工場(仮称)を開設し、2026年から操業する。敷地面積は博多工場の2倍以上となり、想定年間生産量は1.3倍となる。博多工場の操業は25年末をめどに終了する。

▲新九州工場(仮称)の鳥瞰イメージ(出所:アサヒビール)

移転先候補地はJR鹿児島本線の肥前旭駅近く。九州横断自動車道・長崎大分線の鳥栖インターチェンジ(IC)にも近く、鳥栖ジャンクション(JCT)経由で九州縦貫自動車道にもアクセスしやすい。ビール類や他の飲料など、九州エリアへ出荷する大部分の商品の製造・出荷が可能となり、物流面での効率化につなげられる。配送距離短縮によって物流に伴うCO2排出量は従来より30%削減できる見込み。また、物流面以外にも、十分な水量を確保できる立地で生産能力を十分に確保できることや、天災などの不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)上の理由があったという。

▲移転先候補地周辺図(クリックで拡大)

候補地は公有地で、同社は土地譲受申込書を鳥栖市に提出しており、今後、土地売買契約にかかる市議会の議決を経て、正式に決定する予定だ。

新工場は製造方法の刷新などによりエネルギー使用量を従来比で50%削減し、使用するエネルギーの再生可能エネルギー化も推進する。CO2回収技術の導入などにより、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」の早期実現も目指すという。