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冷蔵コンテナの鮮度保持力を試験、清水港湾事務所

2022年7月22日 (金)

国内国土交通省中部地方整備局は22日、静岡市で農産物の鮮度保持試験を開始した。コールドチェーンで輸送中の青果が、日数が経過しても品質を保てるかどうかを検査する。清水港(静岡市清水区)からの農産物輸出促進策の一環で、同日に利用が始まった同市中央卸売市場のドックシェルターも活用した。

▲農産物鮮度保持試験に使われる冷蔵コンテナ。ドックシェルターで青果を積み込み、清水港で30日間保管される。

同整備局清水港湾事務所によると、この試験では同卸売市場で扱っている野菜や果実などの農産物から20品目程度を選び、冷蔵コンテナにバンニング(積み込み)し、清水港のコンテナターミナルで8月22日までの30日間保管する。10日ごとに重量や色を見る「外観検査」と、食味や食感などを調べる「官能評価検査」を行い、変化を検証する。

検査の間隔は、清水港から台湾や香港への輸出にかかる日数(10日)と、シンガポールやマレーシアまでの日数(20日)、さらに、通関手続きなどの3日を含め両国への輸出で荷降ろし待ちに時間がかかった場合の日数(30日)に合わせた。各国に輸出した場合の鮮度の変化をコンテナ内で再現し、今後の営業活動などに生かす。

▲野菜の重さを記録する係員

同様の試験を2021年度の秋と冬に行っており、3回目となる今回の夏試験では初日の22日、卸売市場で冷蔵倉庫から冷蔵コンテナに農産物を運び入れる際、新設備のドックシェルターが使われた。気密性を保ったままコンテナ内に移し、鮮度への影響をなくした。清水港に運ばれたコンテナは「リーファープラグ」と呼ばれる電源供給設備につなげられ、保冷を続けている。

卸売市場での作業は報道機関にも公開された。冷蔵倉庫内ではコンテナ搬入直前の初回の検査が行われ、係員たちは3度前後の低温のなか、果物や葉物を秤にかけたり外観をカメラで記録したりしていた。

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