ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

「脱パワハラ」日野が風土改革へ、中堅社員が推進役

2022年9月30日 (金)

荷主日野自動車は30日、一連のエンジン認証に関する不正問題を受け、企業風土改革を推進すると発表した。各職場から選出された中堅社員でつくる「風土改革チーム」を中心に、本音の対話ができる環境づくりや社内集会による意識改革を進め、「パワーハラスメント体質」を脱却、相手を尊重しあう風土を全社的に醸成していくとしている。

認証不正問題を巡っては、外部有識者から構成される特別調査委員会の調査や国土交通省の検査の結果、セクショナリズムやパワーハラスメント体質をはじめとする日野の組織風土や企業体質に問題の真因があると指摘されていた。国の試験に対して排ガス測定結果を書き換えるなど、コンプライアンスの軽視も明らかになった。

こうした指摘を受け、日野は「過度な上意下達に代表される一方通行のコミュニケーションが要因の一つ」と判断。「対話」によって企業風土を変えていくことにした。

(イメージ)

具体的には、各本部や工場から選んだ中堅社員でつくる「風土改革チーム」を組織し、9月から本格活動させた。同チームの主導で、階層別対話会など組織横断の会合を実施したり、チームメンバーを職場懇談会に派遣したりしている。チームメンバーは社外講師による研修を受け、対話に参加する従業員らの心理面に配慮できる能力を高める。対話会で得られた従業員の声を整理し、経営層に伝える。

このほか、認証不正問題を風化させないように、問題を正しく理解する集いも各工場や部門ごとに9月から定期開催している。これまの経営層からの一方通行の情報ではなく、やり取りが双方向となるよう、経営層以外が解説の役目を担い、質疑応答や討論の時間も十分設けるという。

日野自動車の「失敗の本質」【提言】