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車輪脱落事故関連で検討会、ナットの緩みに注意

2022年12月27日 (火)

行政・団体国土交通省は27日、「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」の中間取りまとめを公表した。

これは、近年、大型車の車輪脱落事故が増加傾向にあることを踏まえ、さらなる事故防止対策を進めるため、ことし2月に設置した「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」を開催。各種調査や実証実験の結果を踏まえて検討を行い、今後の車輪脱落事故防止対策のあり方について「中間取りまとめ」としたものだ。

その内容としては、まず「車輪脱落事故車両調査」「タイヤ脱着作業などの実態調査・分析結果」として、「事故車両において、劣化したナットが使用されていたり、ナットの点検・清掃、潤滑剤の塗布などが適切に行われていなかった」「規定トルクでナットの締め付けを行っておらず、増し締めも行っていなかった」「日常点検において、ナットの緩みの有無を確認していなかった」「整備管理者による指導・管理が不十分であった」ことが判明した。

(出所:国土交通省)

次に「実証実験により明らかになった事項」として、「ボルト、ナットは適切に潤滑剤の塗布を行わない場合、締め付けを繰り返すたびに、締め付け力(軸力)が徐々に低下する」「最大積載の大型貨物自動車の左右の駆動輪をメーカーの規定トルクよりも低いトルクで締め付け、悪路条件などを模擬したテストコースをサイクル走行させた結果、軸力が一定の水準より小さい場合に、走行に伴い急速に軸力が低下し、ゼロになることが確認された」という。

これらを踏まえ、検討会では車輪脱落事故防止対策として、次の事項を提言している。

【速やかに実施すべき対策】
大型車使用者に劣化部品の適切な交換を促す緊急点検の実施▽タイヤ脱着作業者が適切な作業手順・保守管理手順を確認するための動画公開▽車輪脱落事故防止キャンペーンの継続的実施など

【中・長期的に実施すべき抜本対策】
車輪脱落事故惹起事業者などの整備管理者に対する特別研修の新設▽一定期間に複数回の車輪脱落事故を惹起した事業者などの整備管理者に対する解任命令の発令▽タイヤ脱着作業者の人為的な作業ミスを防ぐための車両対策など

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LOGISTICS TODAY編集部
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