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2024年問題対応へ、まず取り組むべきレンタルパレットの活用

JPR、一貫パレチゼーションへ「改革の機は熟した」

2023年9月19日 (火)

話題「物流革新に向けた政策パッケージ」が提示され、2024年問題とそれに続く物流危機への対応は、より具体的なアクションが必要となる局面へと移行した。

ドライバーの労働時間に上限が設けられることで、改めて見直されるドライバーの「働き方」。ドライバーの拘束時間において、荷待ち・荷役時間で3時間超の時間を”浪費”され、本来の運転時間が削られていることは、かねてから指摘されている問題であり、トラックドライバーの「荷待ち・荷役時間の削減」「荷主の意識改革、行動変容」は、最優先事項である。

当然、トラック予約受付システムや検品作業のデジタル化、積み下ろしを補助するマテハン機器、庫内作業管理システムなど、各工程で荷待ち・荷役時間を削減するツールは数多く提案されているが、中でも注目したいのは、日本パレットレンタル(JPR)が推進する「一貫パレチゼーション」である。レンタルパレットを活用し、サプライチェーンの上流から下流までの物流全般を効率化する取り組みだ。

▲日本パレットレンタル(JPR)執行役員の新井健文氏

同社執行役員の新井健文氏は、「トラックドライバーの労働生産性を上げるためのパレットの活用は、2024年問題を契機に、これまでにないほどに企業の関心を集めているように感じます」と語る。

物流は複数企業のつながりで成り立っているため、非効率を解消するためには、物流の上流から下流まで同一のパレットをリレーのバトンのように活用することが望ましい。このリレーのようなパレットの活用方法を一貫パレチゼーションという。

(新井氏)「手荷役からパレット荷役に変えることで、労働生産性は約4倍に上がります。ただ、パレットがあるだけでは一貫パレチゼーションは実現しません。パレットの能力を引き出す一貫パレチゼーション実現のためのキーワードは“標準化”と“共同化”です」

▲パレット輸送のイメージ

一貫パレチゼーションの土台は完成した

一貫パレチゼーションの実現にあたっては、物流の上流から下流まで共同使用できる標準規格のパレットと、使用後のパレットを回収し循環させる仕組みが必要となる。

▲JPRが提供する11型パレット

まず、パレット規格に関しては、1970年にJIS規格に11型(1100×1100ミリ)が一貫輸送用パレットとして規定された。2022年6月に「官民物流標準化懇談会 パレット標準化推進分科会」が、これからパレット化を図る事業者に対して11型を推奨すると中間とりまとめに明記しており、標準化の基盤は整理されつつある。

もう一つ、一貫パレチゼーションに必要な、パレットを循環させる仕組みを構築したのがJPRである。同社では循環の中核をなす空パレット回収のネットワークを「共同回収」として運営し、90年代以降、加工食品、日用品業界を中心に急拡大させて来た。

発荷主がJPRからレンタルパレットを借り入れ、工場などで製品を積載したパレットが、物流倉庫、配送センターなどへの輸送・保管に使用され、さらに卸売業や小売業の物流センターなどにパレットで納品される。役目を終えた空パレットはJPRが発荷主に代って回収し、メンテナンスして再び発荷主に供給する。こうした一貫パレチゼーションの流れは、JPRのレンタルパレット活用と共同回収システムを介在させることによって実現した。同社の仕組みでは、空パレットの回収率を99%以上の水準で維持しているという。

▲着地で役目を終えた空パレットをJPRが回収するようす

一貫パレチゼーションという仕組みを現場にインストールする

では、なぜレンタルパレットが一貫パレチゼーションに有効とされるのか――。新井氏は、「日本国内に流通しているパレットの総数は、およそ5億枚程度とも推定されます。ところがその多くが輸送には使用されず、個々の会社の倉庫内で保管用途に使用されています。自社所有のパレットを活用して一貫パレチゼーションを組み立てようとするケースも多いのですが、保管用途のパレットを一貫パレチゼーション用途へ転換することは容易ではありません」と指摘する。

▲パレット管理にはメンテナンスも必要

自社パレットで一貫パレチゼーションを行おうとする場合、複数社から荷物を受ける物流センターなどでパレットの分別管理が必要となり、新たな作業負担が発生。管理が行き届かなければ、パレットの紛失や未回収を引き起こす。こうした課題がクリアされず、発地でパレット積みしているにもかかわらず、着地ではバラ降ろしが続いているケースも珍しくない。

(新井氏)「この問題は、データに置き換えるとわかりやすいかもしれません。例えば、自社にカスタマイズされた表計算ソフトを使用していたとしますよね。それは、自社にとっては最適ですが、社外とデータをやり取りする際には都度データを変換するか、取引先に同じソフトを導入してもらう必要があります。物流現場での手荷役作業は、こうした非効率さと似ています」

物流危機を解消するための全体最適化。その実現にあたっては、発荷主、着荷主、そしてドライバーを擁する運送事業者など、それぞれに現状からの変化が求められる。

(新井氏)「新しい仕組みの導入には、現状を変えるための労力やコストが伴います。JPRは多くのお客さまと一緒に具体的かつ現場レベルで一貫パレチゼーションの導入を進めてきました。単純にパレットというモノを提供するのではなく、一貫パレチゼーションという仕組みをお客さまの現実の物流現場にインストールしていくのが私たちの仕事です」

同社では、「2024年問題とJPRサービス」などの独自レポートもホームページ上に公開し、レンタルパレット利用における一貫パレチゼーションなど、自社サービス活用による物流危機対策を提言しているので、ぜひ参考にしてもらいたい。

2024年問題対策の専用サイト
問い合わせ
日本パレットレンタル株式会社
メール:service@jpr.co.jp
電話:0120-8010-11 ※受付時間9時-17時(土日祝除く)