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中距離モーダルシフト推進へダイヤ改正、JR貨物

2023年12月19日 (火)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は15日、2024年3月16日にダイヤ改正を実施すると発表した。中距離輸送でのモーダルシフトの要望に応えるため、一部区間の速達化と輸送力を増強するとともに、長距離輸送の利便性向上にも配慮した。

モーダルシフトを特に促進するべき区間として、東京貨物ターミナル駅(東京都品川区)と大阪貨物ターミナル駅(大阪府摂津市)間のコンテナ列車を速達化する。従来は東京22時59分発の列車が大阪に翌8時4分着だったところ、1時間早めて翌7時5分到着に変更。大阪18時46分発の列車は22時31分発に変更し、東京に翌6時30分に到着と、こちらは所要時間を3時間45分短縮する。

長距離区間では、広島貨物ターミナル駅(広島市南区)行きの輸送力を増強するほか、広島に停車する列車の本数を増やし、輸送需要が旺盛な関東地区から広島へのコンテナ列車のサービスを向上する。東京23時20分発広島10時34分着の列車と、東京8時9分発広島翌0時40分着の列車では、12フィートコンテナ20個分輸送力を引き上げる。倉賀野駅(群馬県高崎市)、熊谷貨物ターミナル駅(埼玉県熊谷市)など、北関東エリアから広島へのコンテナ列車も新設する。

また、東京臨海部や神奈川地区と北海道間の利用増に応えるため、東京貨物ターミナル駅‐札幌貨物ターミナル駅(札幌市白石区)間と、札幌貨物ターミナル駅‐相模貨物駅(神奈川県大磯町)間を直結するコンテナ列車を新設する。そのほか、名古屋貨物ターミナル駅(名古屋市中川区)‐広島貨物ターミナル駅間をはじめ、要望が強かった地域間のコンテナ輸送力を増強するほか、京都貨物駅(京都市下京区)、横浜羽沢駅(横浜市神奈川区)を起点に新たな直通輸送ルートを設定する。

輸送力強化という観点から推進している大型コンテナ化にも着手。31フィートコンテナの取り扱いを拡大し、海上コンテナの対応力も高める。名古屋貨物ターミナル駅‐盛岡貨物ターミナル駅(盛岡市)間、西浜松駅(浜松市中区)‐盛岡貨物ターミナル駅間、東京貨物ターミナル駅‐広島貨物ターミナル駅間で31フィートコンテナを、東京貨物ターミナル駅‐盛岡貨物ターミナル駅間でISO20フィートタンクコンテナを取り扱う。根岸駅(横浜市磯子区)‐宇都宮貨物ターミナル駅(栃木県三川町)間で海上コンテナ輸送列車を新設する。

ダイヤ改正への対応のため、機関車を15車両、31フィートと40フィートコンテナ荷役用のトップリフター18台を含むフォークリフト68台、コンテナ2900個を新規に導入する。

▲新規製造する31フィートコンテナとトップリフター

長距離輸送と比べ、関東‐関西間など中距離輸送でのモーダルシフトはまだ採算性の観点などから進んでおらず、走行距離が401〜600キロ区間の陸送ではトラックが95.4%を占め、鉄道貨物輸送は4.6%にとどまっている。同距離での2030年度の鉄道貨物輸送の政府目標は、陸送全体の29%と定められているが、目標到達は現実的に難しくなっているのが現状だ。

2024年、これまでの物流課題対応が試される時

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