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商船三井3Q、減収もエネルギー事業が好調

2024年1月31日 (水)

財務・人事商船三井が1月31日発表した2024年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比3.1%減の1兆2186億6400万円、営業利益が同16.7%減の801億2600万円、経常利益が73.3%減の1972億6300万円、最終利益が71.8%減の2036億400万円だった。

ドライバルク事業では、ケープサイズ市況がブラジルの鉄鉱石出荷が順調だったほか、西アフリカのボーキサイト出荷も好調で大西洋を中心に船腹需要を回復。パナマックス・ハンディマックス以下の市況は、中国経済への悲観的観測で低調だったが、パナマ運河の水不足やスエズ運河沖の地政学リスクの高まりで船腹需要が締まり回復した。売上高は13.7%減の2971億円、営業利益は29%減の371億円となった。

エネルギー事業では、主要産油国による供給量調整を図る枠組みであるOPECプラスの減産で、冬場の需要期に水を差された形となったが、相対的に原油価格が低迷したことでアメリカ発の輸送需要が安定したことで一定水準を維持した。アメリカと中国が石油製品輸出を増やす一方で、パナマ運河の渇水による滞船影響などで船腹受給はひっ迫、市況は高水準で推移した。オフショア船は既存の長期貸船契約などで安定し、LNG(液化天然ガス)は新規契約が長期契約満了分を吸収し前年並みだった。エネルギー事業全体では売上高が11.3%増の3310億円、営業利益は69%増の588億円だった。

製品輸送では、コンテナ船は持分法適用会社のオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE、シンガポール)が、インフレ長期化により消費が伸び悩んだことに加え、新造船完成が増えたことで短期的に運賃市況が下落。自動車船は、完成車の海上輸送需要は底堅く、各国の自動車販売状況に応じて柔軟に配船を見直すことで増益に転じた。製品輸送事業全体の売上高は5.9%減の4605億円で、営業利益は86.6%減の852億円。うちコンテナ船は売上高が3.4%増の423億円、営業利益が94.7%減の300億円だった。

通期業績予想は、売上高が前期比0.2%増の1兆6150億円、営業利益が同14.5%減の930億円、経常利益が72.3%減の2250億円、最終利益が70.5%減の2350億円と予想する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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