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KURANDOの庫内作業効率化ツールLogimeter、Logiboardで現場改革を

「データを取ってみる」から始まる庫内DXの第一歩

2024年2月16日 (金)

話題労働人口の減少が、物流現場の課題として顕在化しており、属人的なアナログ管理に頼る物流現場から、効率的なオペレーションを構築する倉庫内DXへの転換は避けられない状況だ。しかし、いざDXに着手したいと思っても、コストや運用の不安などで足踏みとなるケースも多いのではないだろうか。

そんな現状へのKURANDO(クランド、東京都品川区)の提案は単純明快だ。代表である岡澤一弘氏は言う。「まず、データを取ること。とにかくそこから始めてみることです」

庫内作業実績データ取得から始まる1ステップずつのDX前進

▲KURANDO代表の岡澤一弘氏

岡澤氏は、物流現場におけるDXには5つのステップがあるとする。1つ目のステップが「データを取ること」。2つ目は「必要なときにはそのデータを出せること」。ステップ3は「毎日、データを確認できること」。ステップ4は「データを生産性やコストの観点から検証できること」。最終段階のステップ5として「それらの検証を通じて改善につなげること」と定義する。「まずは、データを取ってみることがDXの入り口。最初から改革の最終段階である改善を目標に据えがちなのですが、あまりそこばかりに目が行き過ぎてはいけない。ステップ1からDX化の道筋を一歩一歩進んでいくことが大切です」(岡澤氏)

改善はもちろん重要だが、DXツールだけを導入すればすぐ実現できるものではない。高度な改善につながる先鋭的な機能も、使いこなせなければ意味がない。一足飛びでの改革に跳びついてしまう身の丈に合わない変革にこだわらず、現場にとって必要な機能を検証するステップアップの過程を踏みながら少しずつ機能を拡張していけばいいと岡澤氏は考える。「私たちのサービスは、まずはとにかく導入すれば良いことがある、データを取っておけばいつか使える、そんな感覚でハードル低く導入できるインフラのようなツールでありたいと思っています」(岡澤氏)

“とりあえず”庫内作業管理ツールを導入してみる環境作り

クランドは作業実績データを取得する機能を「Logimeter」(ロジメーター)、取得したデータを集計・分析・共有する機能を「Logiscope」(ロジスコープ)、データをもとに精度の高い計画を作る機能を「Logiboard」(ロジボード)という3つのツールに切り分けることで、ステップごとのDX化を促す。安価な料金設定で、「まだどんなことに使えるかもわからないが、リーズナブルだからお試しで」、そんなレベル感の企業にとっても導入しやすい環境を整備してDX化の敷居を下げ、まずは業界内でのデータ取得の取り組み自体の普及を目指す。

▲現場の実情・ニーズに合わせて3つのソリューションを提供する

例えば、ロジメーターでは「誰が、何を、いつ、どのぐらい」作業したかのログを取得し、生産性管理や収支管理に活用できる。ロジボードでは、このロジメーターで取得したログをもとに、庫内作業計画作成、シフト管理、作業進捗状況管理を効率化できる。取得したデータをリソースとした活用の可能性は広がるが、それはステップ2、ステップ3で必要に応じて実施すればいいこと。まずはロジメーターでステップ1に取り組むことで、変わる「きっかけ」を作ることが大切だと説く。


▲ロジメーター(左)とロジボード(右)の画面イメージ(クリックして拡大)

データがあるから実現できる足元の課題解決、そして生産性向上へ

もちろん、データ取得の取り組み自体は、人手不足という課題解決に直ちにつながるわけではない。物流現場での機械化や省人化技術などが進展することにも期待したいところだが、「2030年時点で物流現場の機械化、省人化が大きく変化しているとは思えません。物流現場で求められる作業も、かつての保管倉庫での移動や管理作業といったレベルではなく、より迅速で複雑なピッキング作業や、梱包など流通加工分野へ作業内容が広がるなどより高度になっており、ロボット技術に過剰な期待をせず、人材不足を今できるDXでどう克服するのかという現実的な施策を考えていくべきではないでしょうか」(岡澤氏)

▲ロジメータータブレット操作イメージ

では、実際にどんな手を打つべきか。莫大な投資で新たな省人効率化システムを構築、あるいは最先端の自動化設備導入を推し進めるといった判断もあるだろう。だが、岡澤氏は、まず現場の悪しき慣習を改善することからでも、十分に人手不足を解決する一手となるのではないかと指摘する。トラック運転手の労働時間削減、給与水準の向上を後押しする働き方改革は、ようやく動き始めたが、物流現場における課題への対応はまだ進んでいない。これまでの“当たり前”を見直すことが、人手不足においてもインパクトの強い対策となり得る。

「物流現場スタッフの作業内容も、これまでとは大きく変化しています。EC(電子商取引)の普及やスピードが求められる物流サービスの台頭など、より複雑化、多様化しており、作業スタッフに求められる資質も変わってきました。保管業務を行う倉庫作業員というイメージではなく、物流自体に価値を加える『物流センター』の高度なオペレーションに対応するスタッフとして認識を改め、業界全体でそれに見合った評価を与えていくことが必要になるでしょう」(岡澤氏)

まずは、現場作業をデータで見える化してオペレーションの実態を共有することから、旧態依然とした物流現場の意識を改める。高価なロボットの導入よりもまず先に、足元の改革を始めることは、「物流業界」全体の地位向上にもつながる取り組みと言えるのではないか。

そこで必要となるのが、クランドのツールだ。同社のソリューションは、物流現場で働く人々の適正評価や作業内容の変化を実証するデータを集積し、エビデンスとして検証できる体制作りを後押しし、これまでの当たり前が本当に正しいのか、経営における新しい視点として提供される。

▲KURANDOソリューションによる物流センターDX化の流れ

「ロジメーターやロジボードが、人材不足にも対応し、働きたいと思える物流現場の基盤作りに役立つツールであることを納得してもらえるのではないでしょうか。現場改革に必要なコストの増加を、中長期的視点では生産性向上によるメリットが上回ることもある、そんな判断を下す材料を用意できるのが私たちの提供するサービスです」(岡澤氏)

ポスト24年の物流のあり方を検証する基盤に

集めたデータで荷主と現場をつなぎ、適正な対価、給与のエビデンスが共有されるのはもちろん、適正なリードタイム、納入頻度などの見直しを協議する場も醸成され、ポスト24年の物流にふさわしいサービスとは何かも再検証されることとなる。頻繁な計画変更や波動の対応など、これまで荷主の無理な要求に応えることを良しとしてきた物流現場だが、それももはや限界。あらためて、集積した現場データをもとに、持続可能な物流サービスとは何かを擦り合わせなくてはならない局面だからこそ、無理なく現場データの集積と活用を促すクランドのソリューションが必要となるのである。

同社は「導入しやすく」「現場が使いやすい」クラウドサービスとして提供し、まずはDX化の敷居を下げることに注力したことで、庫内管理効率化ツールとしてのシェアを広げており、食品卸業界などではその実績から横展開での拠点導入も加速している。あえて必要な機能を絞り込み、コストパフォーマンスを求める現場の要望に応えたことが奏功したと言えよう。

いま現場が必要とするツールの提供から、もう一歩先の改革へ向けた機能の充実へと、同社もまた、導入企業と歩調を合わせながら、改革へのステップを一歩ずつ上っていく。

KURANDOソリューションの詳細

LOGISTICS TODAYは、作業実績データなどの根拠に基づく物流DXを主題とするオンラインイベント「物流DXを直ちに停止せよ〜24年問題が荷主・物流企業に突きつけるEBDX(エビデンス・ベースドDX)の必要性〜」を2月27日に開催する。

「物流DXを直ちに停止せよ」開催概要
日時:2024年2月27日(火)13時〜14時30分
形式:オンライン(YouTubeライブ)
費用:無料
定員:200人(事前申込)
申込期限:2024年2月26日(月)17時
お申し込み

<申し込みは終了致しました。たくさんのお申し込み、ありがとうございました>