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KURANDOとセーフィー、可視化領域を拡大しPDCサイクル高度化に臨む

定量データ×映像データでの庫内可視化が改善を加速

2024年8月16日 (金)

話題データに基づいた庫内可視化を進めるKURANDO(クランド、東京都品川区)と、監視カメラ映像から発展した現場可視化を展開するセーフィー(東京都品川区)。

両社とも、それぞれの分野で先進的なソリューションを提供するリーディングカンパニーであるが、それぞれの得意領域を連携させることによって、さらにもう一歩先の「物流効率化」を目指す。

どちらも現場の見える化を目指す両社が、連携によって実現しようとしているのはどんな物流現場なのだろうか。

「データ」と「映像」で真の課題を見える化し、改善に生かす

クランドの提供する庫内作業管理ツールは、庫内作業データを取得する「Logimeter」(ロジメーター)、取得したデータを集計・分析・共有する「Logiscope」(ロジスコープ)、データを要員計画や進ちょく管理に活用する「Logiboard」(ロジボード)など、庫内のデータを集積し、活用することから、より効率的な現場運用を実現するソリューションである。現場で働く人たちの作業状況、生産性など現場作業をデータとして見える化する。

(出所:KURANDO)

▲ロジメーターの管理画面(クリックで拡大)

一方、セーフィーは防犯・監視カメラのノウハウから、カメラ映像をクラウド化して共有できるクラウド録画サービスのリーディングカンパニー。点呼システムとの連携で、リモートでの運行管理の新しい運用を実現し、その技術を物流効率化の分野にも広げている。

▲クラウド録画サービス概要(クリックして拡大、出所:セーフィー)

クランドは集積データによって、セーフィーはクラウドカメラ映像によってと方法は違うが、ともに現場を見える化することによって、問題点の洗い出しなどへとつなげることができるソリューション。それぞれのシステムから見えてくる、現場ごとの生産性の良し悪しや、作業者による生産性の違いなどを、2つのシステムを連携することでより詳細に分析し、改善施策の検討・実行の精度を上げるシステムへと昇華させようとするのが、クランドとセーフィーという異なる領域のDX事業者の協調領域で実現する一歩先の庫内効率化であり、そのためのPDCサイクルの高度化である。

▲渋沢倉庫福岡営業所に設置されているカメラ

ともにそのソリューション領域で先導する事業者だけに、すでにそれぞれのツールを導入している現場が多いことも、より有効な協調領域への発展を期待させる。渋沢倉庫の福岡営業所でも、すでにクランドのロジメーター、セーフィーの遠隔モニタリングを導入していることから、今回の2社連携による一歩先の連携実証を進める場となった。

まずは、クランドのデータから抽出された異常値や課題点を、セーフィーのカメラ映像で現場確認することから、問題が発生する時間や人、該当作業を確認し、要因分析や改善施策の策定を行うPLANの工程、改善施策の実施、あるいはベストプラクティスの庫内展開につなげるDOの工程、設定した改善施策が正しく実施できているか、その浸透度と有効性を検証するCHECKの工程と、PDCのサイクルを高度化して精度を高めることが、連携における最初の通過点となる。そこからさらに、具体的な作業性能の向上や効果的な教育への波及へと、連携を深めていく。

▲現場の課題点を映像で確認することが改善への第一歩となる

8月23日に開催される「第2回物流DX会議」には、クランドとセーフィーの両社から、両社の連携が可視化領域をつなぐだけではなく、データと映像、それぞれの得意と不得意を補完し合う連携としての効果についても解説される予定だ。数字だけでは読み取れない現場の実情や、映像だけでは判断できない処理能力など、2つの要素が補完し合うことで、より正確な分析と対策による現場改善のサイクルを加速することができる。

両社は、渋沢倉庫福岡営業所の事例から、さらにその先の改善、歩みを止めることのない現場改革のあり方を検証するとともに、物流DX会議が「ベンダーにとっての学びの場となるとともに、新たな提案の枠を広げて物流効率化の推進力となる」として、多様なプレイヤーの連携による物流改善のネクストステージを追求していく。