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北海道・川崎・広島の車両所で計560両、当該車両を運行停止

JR貨物、輪軸組み立て作業でデータ改ざん

2024年9月10日 (火)

ロジスティクス日本貨物鉄道(JR貨物)は10日、車輪と車軸を組み合わせた輪軸の組み立て作業に不正行為があった、と発表した。北海道、関東、関西の車両所で組み立てた貨車560両と機関車4両で検査データを改ざんしていたことが判明した。同社では、検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両の運行を停止するとともに、早急に車軸の検査を実施する、としている。

不正行為は、7月24日に発生した山陽線新山口駅構内での貨物列車脱線事故を受けて、9月6日に関西支社広島車両所(広島市東区)内で実施していた輪軸の組み立て作業の確認時に、社員が申告したことによって発覚した。車輪と大歯車の圧入作業で、圧入力が基準値を超過していた場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて検査を終えていた、という。これを受けて、ほかの車両所についても社内調査した結果、北海道支社輪西車両所(北海道室蘭市)、関東支社川崎車両所(川崎市川崎区)の2か所でも同様の不正行為が確認された。

JR貨物では、当面の対応として、当該車両の運行を停止するとともに、不正行為があった車両所での輪軸の組み立てを、作業体制が再整備できるまで停止する方針だ。鉄道輸送を利用する通運会社は、運行停止に伴い、トラックによる代替輸送の手配などに追われる可能性がありそうだ。

山陽線新山口駅構内での貨物列車脱線事故の脱線車両にも、検査データが差し替えられた輪軸が搭載されていた。脱線の原因については、国土交通省運輸安全委員会が現在、調査している。

鉄道車両を技術的な観点から監督する国交省鉄道局技術企画課によると、同省は11日午後にも鉄道事業法に基づき、輪西車両所、川崎車両所、広島車両所に本省管轄の運輸局が特別保安監査に入ることにしており、「なぜこうした改ざんが発生したのか」を調べる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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