ロジスティクス中古車輸出のEC(電子商取引)を手がけるビィ・フォアード(東京都港区)は、独自のグローバル物流網で他社を圧倒する。
高い信頼性を誇る日本車を商材に、徹底した顧客満足を追求する「日本式」の物流サービスを提供。アフリカから世界へと販路を広げてきた。
オンラインのデジタル戦略と現地に密着したアナログ対応を融合させたことが、同社の最大の強みとなっている。現場のオペレーションにすべてを反映し、世界210数か国と地域をつなぐネットワークの構築へ全社で突き進む。
同社は2012年当時、東アフリカ向けの輸出が中心で、輸送手段はRORO船を主流としていた。RORO船は、車両が自走して直接船内に乗り込める仕組みを持つ船舶だ。そして、さらなる業務拡大に向けてコンテナ輸送の商流構築に乗り出す。
物流担当の田中裕崇取締役は「入社当時は任務がなく、新しい事業を作る役割を担った」と当時を振り返る。日本全国でバンニング業者を開拓し、未知の市場だったモンゴルへ自ら赴く。一般消費者向けに1つのコンテナに複数台を混載するシェアコンテナサービスを考案した。手頃な物流費を提示し、顧客の買いやすさを追求して実績を積む。

▲ビィ・フォアードの田中裕崇取締役
田中取締役は「超大変な仕事だ。しかし、前に進む会社の勢いがすごかった。何としてもやる」と語り、現場で泥臭い課題解決を積み重ねた。
同社は車両を現地の港に届けて終わらせず、内陸国まで輸送する一貫サービス「シティデリバリーサービス」を提供する。過剰な品質を押し付けず、現地のニーズを尊重しながらジャパンクオリティーに近づけるバランス感覚を大切にしてきた。この顧客満足を第一に置く方針が経営の根幹だ。
デジタルの仕組みで全世界から集客する一方、経営陣自らが現地に滞在して関係性を築くアナログな姿勢を貫く。とくに東アフリカのタンザニアでは、現地のエージェントオフィスにパソコンを並べて購入を直接支援するほか、ホテルなどでイベントを開催した。
ここで配ったノベルティのTシャツは、偽物が流通するほど現地で高い人気を呼ぶ。田中取締役は「日本国内のクオリティをそのまま持っていく手法はきつい。相手の国を考えていかに近づけるかだ」と、会社全体の思いを強調した。
現在は日本発の輸出にとどまらず、韓国やシンガポール、UAE、欧州などを拠点とする第三国間の貿易に注力する。高い信頼性を持つ日本車が海外でも支持を集める背景を生かし、海外在庫を自社サイトに掲載し、物流手配までハンドリングする仕組みを構築した。すでに掲載台数のうち、半数近くを海外在庫が占める。
今後は陸続きの欧州内陸部へのトラック輸送網の構築を進める。広大な大陸の移動では船による輸送だけでは限界があるためだ。陸路を走るトラック網の整備により、さらなる業務拡大に弾みをつける。(菊地靖)
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