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トラック運送業景況感は一時改善もコスト増続く

2025年2月10日 (月)

調査・データ全日本トラック協会は10日、2024第4四半期(10-12月)のトラック運送業界の景況感についてのレポートを公表し、業界の現況について、燃料高や物価高などのコスト転嫁が遅れているものの、輸送効率の改善や輸送数量の増加などで、景況感が前期比で改善しているとした。

レポートによると、トラック運送業では、運賃や料金の水準は改善基調にあるものの、燃料高や物価高などによるコストの上昇分を十分に転嫁できていない。一方で、実働率や実車率の向上で輸送効率が改善しており、さらに同期は輸送数量も増加したことから、業界の景況感は前回のマイナス29.1からマイナス18.2へと10.9ポイント改善した。

25年第1四半期(1-3月)は依然としてコストの上昇が見込まれ、景況感の見通しはマイナス26.6へと8.4ポイント悪化する見込みだとした。全ト協は景況感の改善は一時的で、コストの上昇が利益を圧迫する事業環境が今後も継続するとの見通しを示した。

24年第4四半期の景況感を項目別にみると、ドライバーの実働率は、マイナス0.6と前回比で19.1ポイント改善し、実車率もプラス0.6と同21.7ポイント改善した。運転者の不足感は84.4と同5.0ポイント高まり、労働力の不足感は高まった。来期は実働率がプラス0.6と1.2ポイント改善する一方、実車率はマイナス1.3と1.9ポイント悪化する見込みとなっている。雇用の不足感も96.8となりさらに強まると予想される。

経営面では、経常損益の景況感がマイナス2.6と前回に比べ8.2ポイント改善したが、25年第1四半期はマイナス10.5と再び悪化する見込みとなっている。

一般貨物では、運賃・料金の水準はプラス47.1と0.1ポイント悪化したものの、輸送数量はプラス1.3と16.9ポイント改善したことから、営業収入(売上高)もプラス3.3と0.9ポイント改善した。一方、営業利益はマイナス9.2と3.1ポイント悪化した。

25年第1四半期については、輸送数量はプラス0.7と0.6ポイント悪化し、運賃・料金の水準もプラス37.9と9.2ポイント悪化することから、営業収入もプラス2.0と1.3ポイント悪化する見通し。営業利益もマイナス9.8と0.6ポイントの悪化が見込まれる。

特積み貨物では、輸送数量はプラス6.5と6.5ポイント改善し、運賃・料金の水準もプラス38.7と8.7ポイント改善した。営業収入はプラス3.2と1.8ポイント悪化したものの、営業利益はマイナス3.2と1.8ポイント改善した。

25年第1四半期は、輸送数量はプラス3.2と3.3ポイント悪化する一方、運賃・料金の水準は41.9と3.2ポイントの改善が見込まれる。このことから、営業収入はプラス6.5と3.3ポイント改善し、営業利益もプラス3.2と6.4ポイント改善する見込みとなっている。

地域別では、中部を除く全地域で改善したが、来期に改善するのは北陸信越のみで、四国、九州は横ばい、その他の地域では悪化する見込みとなっている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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