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SBSは増収減益、2030年に売上7000億円目指す

2025年2月14日 (金)

財務・人事SBSホールディングスが14日発表した、2024年12月期の連結決算によると、売上高は前年比3.8%増の4481億4500万円、営業利益は同10.2%減の177億400万円、最終利益は4.3%減の96億1900万円となった。

主力の物流事業では、既存顧客との取引拡大に加え、高い物流機能を求める新規顧客の獲得や、EC(電子商取引)物流の需要取り込み、ラストワンマイルでの置き配サービスの本格導入などサービスラインアップの拡大により、売上高が2.9%増の4203億3300万円となったが、営業利益は新規立上げコストの上昇などにより19.8%減の92億2000万円となった。

不動産事業では、新杉田物流センター(横浜市)の信託受益権の譲渡、深川倉庫(東京都江東区)の譲渡を実施するなど不採算拠点の整理を進め、売上高は29%増の179億3600万円、営業利益は1.9%増の81億1300万円となった。

25年12月期の通期業績予想について、同社は売上高4850億円(8.2%増)、営業利益205億円(15.8%増)、最終利益112億円(16.4%増)を見込んでいる。

今後の見通しとしては、グループ各社のシナジー創出によって営業力を強化し、ECなど非対面販売の物流需要を取り込む。24年2月に完成した同グループ最大規模の野田瀬戸物流センターではEC物流専用区画を設け、LT(Logistics Technology)を本格導入してユーザーのEC物流のニーズに高品質かつローコストで対応できる体制を整え、中期的に同分野の売上高1000億円超を視野に、EC物流を3PLに次ぐ第2の事業の柱としていく。

また、成長戦略の1つに位置付けるM&Aでは、24年10月に日本精工子会社のNSKロジの株式を66.61%を譲受。同12月にはオランダに本拠を構える3PL企業グループ(ズワルウグループ)の持ち株会社であるブラックバードロジスティクス(オランダ)の株式取得契約を締結するなど、国内外を問わず、より付加価値の高い総合的な物流サービスを提供できる体制の整備を図る。

▲SBSホールディングスの鎌田正彦社長

同社の鎌田正彦社長は同日行われた決算説明会で、事業会社のSBS東芝ロジスティクス、SBSリコーロジスティクス、SBSロジコムの3社について、「人事を含めた構造改革を推進する」ことで物流事業の売上、利益率向上を図ると話した。また、2030年には連結売上高7000億円を目標に掲げ、「事業会社の3社と、新しくグループ化したブラックバードの急成長により、M&Aなしでも到達可能」(鎌田社長)であるとした。

今後のM&Aの展望については、「メーカーが物流部門を手放す動きは加速する」と予測した上で、「他社との競合にはなるが、SBSがメーカー物流の受け皿となるチャンスは増えてくるだろう」と予測した。海外展開については、ブラックバードの買収を皮切りに、欧州での事業展開を加速させる意向を示した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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