ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

食品値上げは10月までに前年通年超え、TDB

2025年4月30日 (水)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は30日、5月以降の食品の値上げ動向について、調味料や加工商品を中心に幅広い品目で値上げが続き、10月までの公表分で、すでに1万4000品目を超え、昨年1年間の実績を超えたとする調査結果を公表した。

同社によると、5月単月の飲食料品値上げは478品目で、前年同月に比べ51品目(11.9%)増加した。1月以降5か月連続で前年同月を上回っている。値上げ1回の平均値上げ率は15%だった。

食品分野別にみると、カレールーなど香辛料を中心とした「調味料」が192品目で最も多く、「加工食品」もハム・ソーセージなど中心に137品目に上った。「酒類・飲料」はコーヒー飲料などを中心に48品目だった。

今年通年の値上げは、10月までの公表分で1万4409品目に上り、昨年1年間の実績1万2520品目を超えた。一方で、1回当たりの平均値上げ率は16%と、昨年の17%を下回っている。

分野別では、カレールーなどの香辛料製品や、だし製品を中心とした「調味料」が4904品目で最も多く、冷凍食品やパックごはんなどの「加工食品」が3685品目、清酒やビール、清涼飲料水など「酒類・飲料」の2759品目が続いた。6、7月も単月で前年を大幅に上回る1000品目を超える値上げが予定されており、飲食料品値上げの勢いは昨年に比べて強い状態が続いている。

値上げ要因は、原材料の価格高騰や人手不足、流通コストに加え、光熱費の上昇による値上げも再燃している。原材料高を要因とする値上げが全体の97.9%を占めたほか、昇給や賃上げによるコスト増を背景とした「人件費」は52.0%で、要因別の集計を開始した2023年以降で最高だった。6月以降の値上げを中心に電気・ガスなど「エネルギーコスト(光熱費)」を要因とする値上げが急増し、年間でも66.1%を占めるなど、2年ぶりに前年を上回る水準で推移している。トラックドライバーの時間外労働規制などによる輸送コストの上昇分を価格に反映する値上げは79.7%だった。

同社は「年間の値上げは、最大2万品目が予想され、飲食料品の値上げラッシュが本格化した22年の2万5768品目に並ぶ水準に到達する可能性もある」としている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部