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6月値上げは1932品目で前年比3倍に、TDB

2025年5月30日 (金)

調査・データ帝国データバンク(TDB)は30日、ことし6月の食品価格の値上げは1932品目で、前年同月の623品目の3倍を超えたとするレポートを発表した。ことし1月からの累計品目数は1万6224品目となり、年間で2万品目を超える可能性が高まった。特に飲食料品の値上げの勢いは、前年に比べて強い状態が続いている。

主要な食品メーカー195社の、家庭用を中心とした6月の飲食料品値上げは、昨年より1309品目多く、単月の値上げ品目数としては2か月ぶりに1000品目を超えた。1月以降6か月連続で前年同月を上回り、連続増加期間としては記録的な値上げラッシュの1年となった2023年6月以来、2年ぶりの長さとなった。

食品分野別に見ると、カレールーなど香辛料のほか、だし製品などを中心とした「調味料」の962品目が最も多く、次いで「加工食品」の755品目が多かった。即席めんや、不作で供給量が大幅に減少している海苔製品、コメ高騰を背景としたパックごはんの値上げが目立った。「乳製品」は106品目で、乳価改定の影響を受けて加工乳やヨーグルトなど発酵乳、クリームなどの製品が中心となった。

ことし1月以降の値上げは、10月までの公表分で累計1万6224品目に上り、前年通年の実績1万2520品目を3割上回った。1回当たり平均値上げ率は15%と、前年の17%をやや下回る水準となっている。

食品分野別では、「調味料」が5446品目と最も多く、次いで「加工食品」3813品目が続いた。また、「酒類・飲料」は3485品目で、清涼飲料水に加え、原料米の価格上昇で清酒製品が2年ぶりに値上げとなり、23年以来2年ぶりに3000品目を超えた。

値上げ要因では、原材料の価格高騰に加え、光熱費の上昇による生産コストの上昇、人手不足による労務費の上昇、物流費の上昇などが複合的に重なっている。原材料高による値上げが全体の98.0%を占め、前月調査時の97.9%から拡大した。人手不足にともなう昇給・賃上げによるコスト増を背景とした「人件費」は53.6%で、要因別の集計を開始した23年以降で最高だった。6月以降の値上げでは、電気・ガスなど「エネルギーコスト(光熱費)」由来の値上げも多く、年間で66.7%を占めた。

同社は「原材料高に加えて物流費やエネルギーコストの上昇、賃上げによる労務コストの増加を背景とした粘着性の高い物価上昇圧力が継続し、飲食料品の値上げ機運に強い影響を及ぼしている」と指摘。今年の値上げ品目は、2年ぶりに年間2万品目を超える可能性が高く、「今後の動向次第では飲食料品の値上げラッシュが本格化した22年の2万5768品目に並ぶ水準に到達する可能性がある」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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