
▲「FlexSwiftシリーズ」(出所:シリウスジャパン)
サービス・商品自律走行型搬送ロボット(AMR)ベンダーのシリウスジャパン(東京都中央区)は6日、EC(電子商取引)物流サービスプロバイダーのSTOCKCREW(ストッククルー、同)が千葉県八千代市に開設した新物流拠点「Chiba Dock2」に、同社のAMR「FlexSwiftシリーズ」が新たに15台導入されたと発表した。急成長を続けるSTOCKCREWが掲げる「人間の能力を拡張する」という思想と、事業拡大のスピードに追随できるAMRの拡張性・柔軟性が高く評価された。
「人間の能力拡張」と「最短3日増設の拡張性」が選定理由
EC市場の拡大を背景に、特に中小規模事業者からの物流アウトソーシング需要を取り込み急成長するSTOCKCREWは、創業初期から特定の熟練作業者に依存しない「標準化されたオペレーション」と、それを前提とした「ロボットありきのオペレーション設計」を構想していた。
同社がシリウスジャパンのAMRを選定した決め手は、単なる省人化ではなく「人間の能力をいかに拡張させるか」という思想への共感と、それを実現する技術力だった。特に、理論上拡張性に上限がないシリウスAMRのシステム設計は、倉庫区画を次々に広げていく同社の事業コンセプトと完全に合致。事業の成長スピードに合わせ、最短3日という短期間でAMRを増設できる点が決定的な魅力となった。
また、専用回線など複雑なインフラ工事が不要で、ポケットWi-Fiなどでも安定稼働できる柔軟性も、拠点拡張のスピード感に対応する上で不可欠だった。STOCKCREWの中村慶彦社長は「拠点の拡張速度に環境整備が間に合わず、ポケットWi-Fiを持たせてロボットを動かし、出荷を始めたこともある」と当時を振り返り、シリウスAMRの迅速な導入・運用開始が可能な点を高く評価している。
既存拠点で生産性1.5倍を実現、コスト20%以上削減
今回の新規導入の背景には、先行導入した拠点「Chiba Dock1」(最大でAMRが110台稼働)での確かな実績がある。同拠点では、AMR導入により1時間あたりの処理行数が1.5倍(50%向上)になるなど、大幅な生産性向上が実証された。この結果、従来1日60人を要したピッキング作業が、3分の1の20人で運用可能に。さらに、人件費とロボットの稼働コストを合わせたトータルオペレーションコストも、従来の人員のみの体制と比較して20%以上削減することに成功しているという。
また、作業者の1日あたりの平均移動距離も2万歩から6500歩へと65%以上削減され、身体的負担の大幅な軽減にもつながっている。STOCKCREWは、こうした業務効率化によって生まれた原資を従業員の時給単価向上などに再投資し、定着率と習熟度の向上という好循環を生み出しているとしている。
▲「Chiba Dock」における「FlexSwiftシリーズ」導入による具体的な効果(クリックで拡大)
STOCKCREW中村社長「人間の能力を拡張する思想に共感」
STOCKCREWの中村社長は、「当社がシリウスジャパンのAMRを選んだ最大の理由は、人間の能力を拡張するという思想と、それを具現化するソフトウェアの高い技術力、そして事業の成長スピードに追随できる圧倒的な拡張性だ。今回の導入は、お客様へのサービス品質向上とより多くのEC事業者様への貢献に繋がると確信している」とコメントした。
シリウスジャパンは、今後もSTOCKCREWのような先進的な物流サービスプロバイダーとの連携を深め、物流現場の課題解決を支援する革新的なAMRソリューションを提供していく方針だ。
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