調査・データビューティガレージは9日、2029年度を最終年とする新たな中期経営計画を発表した。同社は「開業と繁盛を総合支援するサロンコンシェルジュNo.1企業」の集大成を目指すと強調し、このビジョンを基盤に新たな事業成長とサービス拡充に注力する方針を明らかにした。

▲柏フルフィルメントセンター(出所:ビューティガレージ)
計画期間は25年度から29年度までの5年間。期間内に売上高を620億円、経常利益を40億円まで伸ばす目標を掲げた。24年度実績で売上高337億2000万円、経常利益15億8000万円を記録しており、29年度までに売上高を1.8倍、経常利益を2.5倍にすることを目指す。経常利益率も4.7%から6.5%へ向上させ、主要KPIとしてはアクティブユーザー数35万口座、店舗リース/サブリース1000店舗、店舗設計100万円以上案件500件、ROE15%超、時価総額500億円、配当性向20%超と設定した。
同社は成長戦略に3つの柱を据える。1つ目は「美容サロン業界向けプラットフォーマー機能の最大化」だ。AIなどの最新テクノロジーを導入したECサイトの利便性強化と、情報プラットフォームの構築を推進する。
特筆すべきは圧倒的な物流力を武器とするフルフィルメントサービスの本格展開だ。美容メーカーやサロン本部向けの物流インフラとして新設した柏フルフィルメントセンター(千葉県柏市)を中核とした東西3拠点体制を確立する。同センターは25年5月にオートメーション化された戦略的新物流拠点として正式開設し、既にテスト稼働を開始。25年夏頃の本格稼働を予定している。

▲柏フルフィルメントセンター(物流第三拠点)開設による効果(出所:ビューティガレージ)
保管キャパシティーは現行の2.6倍の10万SKU、出荷能力も2.8倍の2万件/日まで拡大し、SKUや出荷能力、物流費率の大幅改善を図る。BtoB、BtoC双方でOEM商品や供給品の保管、受注から発送まで一括管理し、物流業務の完全代行によってEC運営を全面サポートする。これにより売上拡大と利益率向上を同時に達成する。加えて、柏フルフィルメントセンターの開設にあたり、経済産業省「地域未来投資促進税制」の優遇税制適用の承認を得た。25年度には6万284万円の法人減税を見込んでいる。
2つ目が「新たな価値創造による店舗開業支援力の強化」。ファイナンスやバックオフィス業務を請け負うBPOサービスの展開と、サロン独立支援や多様な業態対応を進める。2029年度には店舗リース/サブリースの累計1000店舗を目指し、店舗設計事業も新会社設立による請負範囲拡充と人材強化でさらなる成長を目指す。
3つ目が「新市場への挑戦」。採用・教育・集客領域やウェルネス市場、海外展開にも踏み込む。フィットネスや鍼灸院向け事業の強化、「SPA・温浴・サウナ施設市場」参入、日本ブランドのASEAN進出支援にも注力する。
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