ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

国交省26年度概算要求は7兆812億円、災害対応強化

2025年8月26日 (火)

行政・団体国土交通省は26日、2026年度予算の概算要求をとりまとめた。一般会計の要求額は7兆812億円で、前年度比1.19倍。このうち公共事業関係費は6兆2820億円(同1.19倍)を占め、能登半島地震からの復旧や八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえた老朽化対策など、防災・減災と国土強靱化を重点に据えた。一方で、物流ネットワーク整備やGX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)といった成長分野への投資も拡充する。

物流分野では「効率的な物流ネットワークの早期整備・活用」に4182億円(1.23倍)を計上。大都市圏環状道路やピンポイント渋滞対策、港湾・空港とトラック輸送の接続強化を進め、迅速で競争力のある輸送基盤を整備する。さらに、ダブル連結トラックの導入促進や自動運転トラックの幹線輸送実装、サービスエリア・パーキングエリアでの大型車駐車マス不足解消など、省人化や効率化に向けた施策も盛り込んだ。

また、「災害時の物流・人流確保」に4953億円(1.22倍)を要求。高規格道路の未整備区間の整備や4車線化、鉄道施設の耐震・浸水対策、港湾での緊急物資受け入れ体制の強化などを進め、災害時の輸送ルート確保を図る。

さらに、次期「総合物流施策大綱」を見据えた物流革新の集中改革に179億円(1.48倍)を計上。政府が24年に決定した中長期計画を踏まえ、モーダルシフトやラストマイル配送の効率化、災害時のサプライチェーン確保など物流ネットワーク再構築を進めるとともに、改正物流法の全面施行に向けた規制執行体制の整備や多重取引構造の是正を盛り込む。さらに、置き配など多様な受け取り方法の普及や荷主・事業者間の協調を促す施策も掲げ、物流の適正化と持続可能性を高める狙いだ。

GX関連では、カーボンニュートラルポート(CNP)の形成や持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進、ゼロエミッション船の普及支援などに140億円(1.23倍)を要求。水素やアンモニア輸送のインフラ整備、洋上風力発電基地港湾の整備、空港の再エネ拠点化を通じ、交通分野全体での温室効果ガス削減を後押しする。

DX関連では、i-Construction2.0や建築・都市のDXに129億円(1.29倍)を計上。ICT施工の普及やBIM/CIMの活用拡大、3D都市モデル「PLATEAU」の利活用などにより建設・都市分野の高度化を進める。さらに造船・海運の国際競争力強化や自動運航船の実現に29億円(1.33倍)を充て、経済安全保障を支える産業基盤の強化にもつなげる。

国交省は、名目GDP600兆円超や賃上げの進展を背景に成長と分配の好循環を掲げつつ、災害多発やインフラ老朽化、国際環境の変化に直面している。26年度要求では、防災・減災と物流革新を両輪に据え、持続可能で強靱な社会資本の構築を目指す。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。