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商船三井など、メタンスリップ98%削減に成功

2025年10月7日 (火)

▲船内のメタンスリップ削除システム(出所:商船三井)

調査・データ商船三井(東京都港区)とカナデビア(旧日立造船、大阪市住之江区)、ヤンマーパワーソリューション(兵庫県尼崎市)は7日、LNG燃料船を使ったメタンスリップの削減試験で、目標を上回る削減率98%を達成したと発表した。実験はことし5月から行われており、2026年度まで装置の検証などを行ったうえで、27年度以降の実用化を目指す。

LNGは石油や石炭などに比べ、CO2や窒素酸化物の排出量が少ないため、環境負荷が低いエネルギー源として利用が進んでいる。船舶でもLNG燃料船の普及が進められているが、LNG燃料中のメタンの一部が燃えずにそのまま大気中に排気される「メタンスリップ」が課題になっている。メタンはCO2と比較して温室効果が高く、3社は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けながら、触媒とエンジン改良によってメタンスリップを削減する技術の実用化に取り組んでいる。

▲実証船「REIMEI」(出所:商船三井)

3社はエンジンの排気ガスを再循環させ、燃焼していないメタンスリップや窒素酸化物などを低減させる技術を開発。ことし5月から日本と豪州間の海域などでLNG燃料大型石炭専用船「REIMEI」(苓明)による実船試験を行っている。3社によると、目標の70%を大きく上回る削減率98%を達成した。

今回の技術開発では、カナデビアが幹事社となり、船舶機関用のメタン酸化触媒を研究し、ヤンマーパワーソリューションが触媒を使いこなすための技術を考案。商船三井が実際の船舶でのオペレーション手法の開発を担った。

3社は「早期にメタンスリップ削減技術を確立させ、海運分野での温室効果ガスの排出削減に積極的に寄与していく」としている。

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