国際ホルムズ海峡の実質封鎖を引き起こした米国・イスラエルのイラン攻撃について、物流への影響を理解するために必要な背景を整理する。(編集長・赤澤裕介)
2月28日、米国とイスラエルはイランに対する共同軍事作戦を開始した。米側は「オペレーション・エピック・フューリー」、イスラエル側は「ローリング・ライオン」の作戦名で、核施設、弾道ミサイル基地、革命防衛隊の指揮所、海軍艦艇、防空システムなどを標的とした。米中央軍(CENTCOM)の発表では、初日だけで1000を超える標的を攻撃した。
同日午後、イスラエルのミサイルがテヘランの複合施設を直撃し、最高指導者ハメネイ師が死亡した。トランプ大統領がSNSで発表した後、イラン国営メディアも翌3月1日に死亡を認めた。国防相、革命防衛隊司令官など多数の高官も同時に死亡したと報じられている。
報復と戦闘拡大が封鎖を長引かせる
イランは「自衛権の行使」を掲げ、イスラエル本土と湾岸諸国の米軍基地(バーレーン、UAE、クウェート、カタール、ヨルダン)に対してミサイルやドローンによる報復攻撃を実施した。イスラエル国防軍(IDF)によると、イランは150発以上のミサイルを発射。イスラエルのベイトシェメシュで民間人9人が死亡した。
3月1日には米軍兵士3人が死亡し5人が重傷を負った。作戦開始後初の米軍の戦死者だ。
UAEに対しては137発のミサイルと209機のドローンが発射され、大半は迎撃されたが、ドバイのジュベルアリ港やブルジュアルアラブ、パームジュメイラで迎撃破片による火災が発生。ドバイ国際空港も被害を受け、職員4人が負傷した。
物流業界にとって重要なのは、この軍事衝突がいつ収束するかだ。トランプ大統領は「4週間以内に終了可能」と述べたが、ハメネイ師の死亡でイラン国内は暫定評議会が発足する混乱状態にある。革命防衛隊は「最も激しい攻撃作戦」を予告しており、報復の継続が海峡の安全回復を遅らせる構図だ。
ホルムズ海峡の商業航行が再開するには、革命防衛隊のVHF通過禁止警告の解除、戦時保険の復活、米海軍による安全保証の3条件が必要とされる。いずれも軍事衝突が続く限り実現は難しい。
1984-88年のイラン・イラク戦争中の「タンカー戦争」では、海峡周辺での対船舶攻撃が4年にわたって続いた。今回の危機がどの程度の期間に及ぶかは見通せないが、物流業界は少なくとも数週間単位の混乱を前提に備える必要がある。
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