フード日清食品と三菱食品は11日、食品流通のサプライチェーン効率化に向けて「商流」と「物流」のデータを相互につなぐ協業を本格的に始めると発表した。AI(人工知能)を活用した発注最適化で、両社間の配送に必要なトラック台数を30%削減できると試算。製造、卸売、小売を横断したデータ連携の仕組み作りを進める。
両社は2025年10月から、需給バランスと物流効率の最適化に向けた3つの実証を進め、定量的な成果を確認した。今回の発表はその結果を踏まえて協業を本格運用に移すもので、メーカーと卸の間で個別に進められてきた発注、配車、商品情報登録の各業務を、両社間のデータでつなぎ、自動化と効率化を同時に進める。
協業の主な取り組みは3点で構成する。第1に、両社が持つ発注計画や物流実績などのサプライチェーン関連データを連携し、受発注業務、需給バランス調整業務の効率化と自動化を進める。第2に、両社の倉庫や配送トラックなど物流アセットの相互活用、最適化を検討する。第3に、製造、卸売、小売を横断してリアルタイムにデータを連携する仕組みの構築を検討する。
25年度の実証で確認した主な成果は次の通り。
三菱食品の特売発注予定データを日清食品に事前連携することで在庫調整業務時間を月200時間削減し、日清食品の商品情報を三菱食品へ自動連携することで商品情報の登録業務を効率化した。三菱食品から日清食品への発注時にトラック1台あたりの積載効率を最大化するAI発注モデルを構築し、配送に必要なトラック台数を30%削減できると試算した。
両社は、自動化と業務効率化で生まれた時間、削減したコストを商品の安定供給などに振り向ける。協業の最終目的は、自社単独の効率化を追う商習慣を見直し、製造、卸売、小売の各社がメリットを得られる「共創型データ連携プロセス」の構築だとしている。
日清食品では深井雅裕専務取締役、三菱食品では田村幸士取締役常務執行役員が、それぞれCLO(物流統括管理者)として全社横断のサプライチェーン改革を担っている。26年4月施行の改正物流効率化法では、一定規模以上の特定荷主、特定連鎖化事業者にCLO選任が義務付けられ、両社はいずれもこれに先行してCLO体制を整備した。今回の協業は、両社のCLO体制下で進めてきた取り組みを企業間連携に広げる事例にあたる。
この記事をより深く理解するために
日清食品深井CLO、改革は意志ある先行企業から(4月30日)-連載「The CLO」第1回で、本協業を担う日清食品側CLOの考え方を詳報。
三菱食品、CLO主導でトラック3100台を可視化(3月3日)-1日7600台規模の配送を抱える三菱食品が3100台の運行状況をデータ化してきた事例。
花王・三菱食品、荷主連合で支線配送効率化(4月21日)-共同配送コンソーシアム「CODE」の事例で、三菱食品が進める横方向の荷主連携を示した。
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