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旧正月明け回復に濃淡、CHロビンソン分析

2026年3月6日 (金)

調査・データCHロビンソン(米国)が5日に公表した3月のグローバル市場レポートは、旧正月明けの回復がモードや航路によって大きく異なる実態を浮き彫りにした。海上では航路ごとにサービス復旧のタイミングがずれ、航空では南アジア発の回復が突出する一方、LTLやインターモーダルは需要の本格回復を待つ展開だ。メキシコの貿易動向やディーゼル価格の変化も含め、レポートの主なポイントを整理する。

旧正月明け、海上の回復にばらつき

海上輸送では、旧正月に伴うブランクセーリング(計画的な減便)の影響がまだ残っている。同社によると、2月上旬から3月上旬にかけて計画便の15%がキャンセルされ、太平洋東行きに集中した。

3月に入りサービスは戻り始めているが、回復のペースが航路ごとに異なる点に注意が要る。アジア発米東海岸向けは比較的早く正常化に向かっているのに対し、西海岸向けは3月半ばの復旧になる見込みだ。同じ航路でも港の組み合わせや週によってスペースの空き具合が大きく変わるとしている。

同社は、3月の海上市場を動かしているのは需要の増減ではなく、旧正月で意図的に止めたネットワークを組み直す過程そのものだと分析した。カットオフ(積み荷締め切り)への遅れや直前の変更が、2月よりも大きな影響を及ぼしやすくなっているという。

航空貨物でも旧正月明けの回復が不均一だ。アジア全体の出荷量は徐々に戻っているが、回復の勢いはレーンによって差がある。南アジア発の貨物トン数は前週比7%増で、中でも南アジア発北米向けの課金重量は同12%増と、発地全体の伸びを上回るペースだ。インド発北米向けは旧正月の落ち込みから14%回復し、バングラデシュ発北米向けは前週の10%増に続いて17%増と2週連続で伸びた。

同社は、3月後半に四半期末の出荷、イースター関連のEC(電子商取引)需要、南米発の生鮮品(花き、種子、青果物)のピークが重なるリスクを指摘した。全体の需要が急増しなくても、こうした需要が同じ時期に集中すると特定のレーンで短期的なひっ迫が生じやすいとしている。

※航空貨物は課金重量ベースの動向(クリックで拡大)

LTL(混載貨物)市場では需要が弱い状態が続いている。1月下旬の暴風雪で一時的に滞留が生じたが、需要自体は軟調で、キャリア各社は荷物量よりも収益性を重視する姿勢を崩していない。運賃の引き上げを続けており、AI(人工知能)を活用したコスト管理や業務効率化への投資も進んでいる。同社は、PMI(購買担当者景気指数)が拡大圏に入ったことで製造業の回復に慎重な期待が出ているものの、持続的な回復かどうかはまだ見極めが必要だとしている。

インターモーダル(鉄道コンテナ輸送)は、26年最初の5週間で国内輸送量が前年比3.25%減だった。ただしこの前年比は、25年に関税前倒し出荷で数字がかさ上げされた反動が大きい。同社は、トラック運賃が第2四半期に高めの1桁台の上昇が見込まれる一方、鉄道運賃の上昇は低めの1桁台にとどまるとみており、この価格差の拡大がインターモーダルへのシフトを後押しする可能性があるとした。550-1500マイル(880-2400キロ)の中距離帯で荷主からの問い合わせが増えているという。

ディーゼル燃料は、米国の全国平均価格が2月に1ガロン3.72ドルと、1月の3.52ドルから上昇した。前年同月の3.68ドルも上回っている。中東情勢で原油価格が上がれば燃料サーチャージや輸送コスト全体にさらなる上昇圧力がかかる。同社は、米国トラック研究所(ATRI)のデータを引用し、燃料がトラックのマイル当たり総コストの21%を占めると紹介した。メキシコでは軽油価格がリットル26ペソ前後で安定しているが、カナダでは26年に入りほぼ毎週上昇している。

(クリックで拡大)

メキシコでは輸出が好調だ。25年通年の輸出額は前年比7.6%増で過去最高を記録し、26年1月も同8.1%増と勢いが続いている。伸びの中心は電子機器や先端製造業で、完成車輸出は逆に1月に前年比9%減と落ち込んだ。同社は、メキシコの輸出構成が自動車依存から電子機器・産業機械へ移行しつつあると指摘した。一方で国内トラック業界は厳しく、全国トラック運送業会議所(CANACAR)は25年の売上が25%減だったと報告。輸出は伸びているのにトラック業界の収益は縮むという「ねじれ」が生じている。

2月22日にはハリスコ州で連邦政府の治安作戦を契機に報復的な道路封鎖が発生し、マンサニージョ港が一時閉鎖、グアダラハラ空港の貨物便も停止した。封鎖は24時間以内にほぼ解除されたが、西メキシコ経由の輸送には治安リスクも考慮に入れる必要があると同社は注意を促している。

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