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編集部が見た最新物流ニュース雑感(3/6-26)

2026年3月27日 (金)

ロジスティクス本誌編集部の記者たちが、最近注目した物流ニュースを取り上げ、その背景や今後の影響について座談会形式で語り合いました。記事本文だけでは伝えきれない現場の空気感や取材の視点を、読者と共有するのが狙いです。

フェデックス、インドネシア法人でハラール認証取得

フェデックスエクスプレスは、インドネシアの現地法人が物流領域におけるハラール認証を取得したと発表した。食品だけでなく、製造・保管・輸送などの広範なサプライチェーンを対象とするもので、急成長する同国のイスラム市場向け物流ニーズに対応する。

西鉄、インドネシア現地法人がハラール認証を取得

西日本鉄道は、インドネシアの現地法人がハラール認証を取得したと発表した。イスラム教徒が多数を占める同国において、宗教的戒律を順守した適正な保管・輸送体制を構築し、日系企業をはじめとする顧客のサプライチェーン展開を支援する。

記者A「フェデックスと西鉄のインドネシア現地法人が、それぞれ保管や輸送など物流領域でハラール認証を取得したというニュースがあったね。食品ではよく聞くけれど、物流の工程を対象とした認証があること、そして巨大なイスラム市場に向けて各社が体制を整えていることに驚いたよ」

記者B「物流におけるハラール対応となると、ラマダン中の作業負荷の軽減や、1日5回のお祈り時間の確保など、働き方の面での配慮もあるのかな。昔、海外の航空会社を利用した際にお祈りの時間で運航が止まるのを経験したけれど、やはり世界有数の宗教圏だからこそ、そうした文化的背景への配慮が不可欠になる」

記者C「コロナ前にも、訪日観光客向けの流通加工の文脈でハラール認証が注目された時期があったね。今後はインバウンドの回復に加えて、特定技能外国人や技能実習生など、日本で働くイスラム教徒の増加も背景にあると思う。国内の物流センターでも、外国人労働者がお祈りできるスペースを設けるなど、対応を迫られる場面が増えてきそうだ」

記者A「宗教的な配慮が業務の足かせだとネガティブに捉えられるのではなく、個人の思想や信条を尊重した働きやすい職場環境を整えることが、これからの物流現場には求められそうだね」

日通、ロジスティクスエンジニアリング部を新設

日本通運は4月1日付の組織改編で、「ロジスティクスエンジニアリング部」を新設すると発表した。物流現場へのロボティクスや自動化技術の実装を加速させる狙いがあり、既存のロジスティクス事業推進部が担う人材育成や配置管理と連携し、技術と人材の両面から事業競争力の強化を図る。

記者B「日通が4月からの組織体制で『ロジスティクスエンジニアリング部』を新設するというニュースも気になったよ。日通はBtoCの宅配を手掛けていないため一般消費者からは見えにくいけれど、売上高2.5兆円の巨大企業であり、海外売上も9000億円と大きい。M&AやIT投資など、物流周辺領域も含めて強烈に事業を拡大している印象だ」

記者A「これまでも自動化の研究部署はあったと思うけれど、新設部署はロボティクスなどを現場に『実装』していくための体制強化のようですね。人材育成を担う既存の事業推進部と役割を分け、技術の導入と人材の運用という両輪で効率化を進める狙いを感じるよ。ただ、日通の国内事業って具体的にどんなことをしているんだろう?」

記者C「そこがポイントだね。日通は国内市場の縮小を見据えて、国際プレイヤーと競争していく戦略を明確に打ち出している。国内事業の半分も、公的で機密性の高い特殊な領域が中心なんだ。政府関係の保管や自衛隊関連の輸送、鉄道貨物の通運事業、さらには警備輸送や現金輸送、美術品輸送などだね」

記者B「なるほど。国に関わる重要な輸送や公共性・機密性の高い領域だからこそ、歴史的背景を持つ日通に任されている部分が大きいわけだね」

記者C「その通り。だからこそ、日通はすでにグローバル展開を事業の柱に据えている。今回のロジスティクスエンジニアリング部新設にしても、国内の効率化だけでなく、グローバルでの競争を前提とした最新技術のキャッチアップと実装を進めていく、というのが彼らの経営戦略の根幹なのだろうね」

ヤマト、貨物専用機を関西空港に新規就航

ヤマトホールディングスは、貨物専用機(フレーター)の運航路線を拡充し、関西国際空港への新規就航を開始したと発表した。羽田や成田などに続く展開で、九州や北海道の半導体関連貨物、生鮮食品など、スピーディーな輸送が求められる荷物の需要を取り込み、国内航空貨物ネットワークの強化を推進する。

記者C「ヤマトの貨物専用機が関西空港に就航した件だけれど、一時期は業績の重荷と言われていた航空事業も、回復が順調に進んでいると聞いている。九州や北海道に新設される半導体工場の関連貨物や、大都市圏へ向けた生鮮食品など、地方からのスピーディーな輸送ニーズが旺盛なことが背景にあるね。長距離トラックの燃料代高騰によるコスト差縮小も、航空貨物へのシフトを後押ししそうだ」

記者B「ヤマトは宅急便の安定したキャッシュを背景に、先を見据えた陣地取り型の大型投資が本当に上手い。拠点や路線を早期に押さえてネットワークを構築する手法は、かつての宅配便ネットワークを築き上げたパイオニア精神と共通するものを感じるよ」

記者A「先日、ヤマトと国分の協業についても取材したんだ。地方産品を消費地へ航空輸送し、逆に首都圏の高付加価値商品を地方へ届けることで、地域商流を活性化する取り組みだね。表向きは地域貢献、地方活性化のストーリーだけれど、実態としては航空貨物の需要創出と収益化を組織的に進めているしたたかな印象を受けたよ」

記者B「国内の航空貨物といえば、JALやANAといった旅客会社の便はどうなっているんだろう?本来ならもっと貨物を運べる余地があるんじゃないかな」

記者C「まさにそこが大きな課題なんだ。JALやANAの旅客機の床下にある貨物室、いわゆる『ベリースペース』は、乗客の手荷物を載せてもまだまだ空きスペースがあるのに、全然有効活用できていない。そこに一般貨物をもっとうまく載せていけば、国内航空貨物の利用頻度や市場全体はさらに拡大するはずなんだけどね」

記者A「空のスペースがあるのに、なぜ十分に活用されていないんでしょうか?」

記者C「厳しい見方をすれば、これまでJALやANAがキャリアとしてきっちりと貨物のセールスをしてこなかったことが原因だと言える。空気を運んでいるようなもので、非常にもったいない運行になっていたんだ。ただ、ここへ来て少し動きが出てきた。先日、ANAが貨物事業を統合して本腰を入れていくという報道があった。ヤマトのような専用機による実需創出の動きと併せて、航空会社側が旅客便のベリー活用にどう本腰を入れていくのか、国内航空貨物市場への影響を注視していきたいね」

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LOGISTICS TODAY編集部
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