ロジスティクス4月1日、改正物流効率化法の第二段階が全面施行され、特定事業者に区分される荷主・運送・倉庫の企業に、物流統括管理者(CLO)の選任や中長期計画の提出などが法的義務として発生した。同じ4月、ホルムズ海峡情勢を背景とする燃料流通の不安と石油化学品のコスト上昇が重なり、制度対応と危機対応が同時並行で進んでいる。(編集長・赤澤裕介)
特定荷主・連鎖化事業者、特定貨物自動車運送事業者、特定倉庫業者の3区分が指定の対象となる。義務内容はCLOの選任、2026年10月末を初回期限とする中長期計画の提出、定期報告で、違反時は勧告、企業名公表、命令、罰金の順で措置される。対象は3区分を合わせて4000社規模に及ぶ。
指定を受けた事業者は翌年度以降も毎年7月末に定期報告を出し、初回の中長期計画提出期限は10月末となる。国家備蓄原油は3月26日に放出が始まり、5月にはさらに追加放出が検討されていると報じられている。店頭価格は燃料油価格激変緩和対策事業の補助金の下で推移している。
CLOには、計画策定と社内横断調整を担う役員級の経営幹部が就くことが制度上の前提となっている。同じ幹部が、軽油の調達先確保、価格交渉、資金繰り、為替変動への対応にも関与している。
制度対応の実務には、計画策定、記録管理、体制整備に金と人員を要する。4月は樹脂や包装材の値上げも相次いでおり、制度対応のための投資原資が圧迫されている。
荷主との交渉には、4月以降、燃料費の上昇分のサーチャージと、制度対応にかかる負担の価格反映の2項目が並ぶ。全日本トラック協会が3月にまとめた調査では、運賃の価格転嫁率は36.5%、エネルギー費に限れば33.9%にとどまる。
帝国データバンク(東京都港区)が8日に発表した2025年度の倒産集計では、運輸・通信業が457件で3年連続の400件超となった。うち道路貨物運送業は321件で、過去4番目の高水準となっている。道路貨物運送業の倒産のうち、人手不足を要因とするものは55件、物価高を要因とするものは91件となった。倒産が続く業界でも、制度対応の対象要件は変わらない。
7日、ヤマトホールディングスは東京都江東区東雲で延床12万平方メートル規模、地上6階の統合型拠点を開設した。ロジスティクスサービスエリアは1万8000坪で、6月から順次稼働する。同グループは関西、中国、東北の各地方でも同型拠点の展開を予告した。大型投資を実行できる大手が動く一方で、道路貨物運送業界では321件が倒産した。同じ4月1日から同じ法的義務を負う企業群のなかで、履行のための原資には差がある。
改正物効法第二段階は、特定事業者に共通の期限と義務、違反時の罰則を課す。4月1日の制度施行と、燃料価格の変動、樹脂・包装材の値上げ、道路貨物運送業の倒産321件は、いずれも同じ四半期に並んでいる。
◆ この記事をより深く理解するために ◆
・改正物流効率化法第二段階の全体像と制度設計
「四月改正で変わる物流の力関係」(4月1日)
・特定事業者外にも広がる取引・実務要求の波及構造
「対象外でも逃げられない──4月から中小に来る要求」(4月1日)
・燃料高騰局面での価格転嫁と情報格差の実態
「軽油急騰で試される運送経営、情報格差が明暗」(3月12日)
・国家備蓄放出の起点と供給確保策の枠組み
「国家備蓄原油、きょう放出開始」(3月26日)
・運送業倒産の最新動向と構造的な体力差
「25年度運送業倒産321件、過去4番目の高水準」(4月8日)
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