行政・団体EV商用車を手がけるEVモーターズ・ジャパン(北九州市若松区)は14日、東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。負債総額は57億円、債権者は280人にのぼる。今後はスポンサーを選定し、再建を目指すとしている。
同社は2019年設立。中国メーカーへの製造委託をベースにEVバスを展開し、25年の大阪・関西万博向けに190台を納入するなど急速に事業を拡大してきた。累計納入台数は325台に達し、売上高も直近で80億円規模まで成長していた。
一方で、納入車両の一部に不具合が発生し、25年9月に国土交通省の指示を受けて317台を対象とした総点検を実施。11月には85台のリコールを届け出るなど対応を進めてきたが、品質問題が事業の転機となった。同社はその後、再発防止策の策定や改修を進め、26年1月には全車両の改修が完了したとしている。
国交省も一連の対応について、保安基準適合性の確認や立ち入り検査、リコール対応を通じて是正措置が講じられているとの認識を示している。金子恭之国交相は14日の会見で、当該EVバスについて「再発防止策は運用されており、現在も運行事業者において通常運行されている」と説明した。一方で、使用過程で発生する不具合への対応として、検査手法の見直しを進める考えも示している。
ただ、品質問題と並行して、報道対応や取引環境の悪化が資金繰りを直撃した。同社によれば、一部メディアによる「急ブレーキや暴走」といった内容が事実と異なる形で報じられたことが、新規営業や顧客への補助金交付に支障を及ぼしたという。同社はこれを否定し、仕様に対する誤認と説明していたが、信用不安の拡大は避けられなかった。
決定打となったのは主要案件の崩壊だ。26年3月末、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が納入済み車両の使用停止を表明し、4月1日付で契約解除を通知。大型案件の消失により資金繰りの維持が困難となり、今回の申し立てに至った。
EVバスは都市内輸送の脱炭素化を担う存在として期待されてきたが、導入拡大局面における品質・運用リスクが改めて浮き彫りとなった。車両の安全性に加え、保守体制や不具合対応、補助金制度との整合性を含めたサプライチェーン全体の信頼性が問われている。
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