荷主浜松市を拠点に注文住宅事業を展開するLIFEFUND(浜松市中央区)は5月1日、ナフサ不足による住宅建材への影響を公表した。同社は3月末時点で断熱材や配管、塗料など石油由来建材の価格高騰と供給不安について注意喚起していたが、その後1か月で状況は想定を上回る速度で悪化したと指摘する。現場では資材調達の不確実性が高まり、「いつ工事が止まってもおかしくない」局面に入った。
中東情勢の緊迫化を受けたホルムズ海峡の事実上の封鎖により、原油輸入の9割を中東に依存する日本では、石油精製過程で得られるナフサの供給停滞が広範な産業に波及している。住宅分野では断熱材や塩ビ配管、塗料といった主要建材に加え、接着剤や防水材など関連資材にも影響が拡大。4月末時点では、住宅建設に関わるほぼ全カテゴリーで15-50%の値上げや納期未定、受注停止といった動きが確認されている。

(出所:LIFEFUND)
影響は石油由来製品にとどまらない。構造用合板では接着剤価格の上昇がコストを押し上げ、流通価格は上昇に転じた。構造材は床・屋根・耐力壁を構成する基幹資材であり、供給が滞れば建物自体が組み上がらない。ウッドショック時は木材価格の高騰が中心だったが、今回は石油由来素材を起点に供給網全体へ波及しており、影響範囲はより広い。
コスト面では、一般的な30坪・2階建て住宅でも100万円超の建築費上昇が見込まれる。断熱材単体でも数十万円規模の上昇が発生しており、複数資材の値上げが積み上がる構造となっている。価格転嫁は進みつつあるが、需要側の調整も想定され、需給バランスの変動が今後の焦点となる。
こうしたなか、同社は代替調達と事前合意の運用を強化している。断熱材など供給が滞る資材については仕様変更を実施し、断熱性能(UA値)を維持した上で工期確保を優先する。一方で、仕様変更の可能性や影響については顧客と書面で事前合意を行い、後工程でのトラブル抑制を図る。ただし、構造用合板や防水シートのように代替が難しい資材も存在し、調達停止が工事停止に直結するリスクは残る。
ナフサ供給の停滞は化学製品から建材、最終的な住宅供給にまで波及しており、単一資源の供給制約が複数産業に連鎖する。足元では工期遅延が住宅ローンや仮住まい費用に波及する可能性もあり、最終需要への影響も現実化しつつある。
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