調査・データ中国越境ビジネス支援を手がけるオールウィル(東京都港区)は28日、日本企業の中国市場戦略に関する調査結果を発表した。中国市場で商品を販売している企業の海外事業担当者、中国事業責任者、経営層の20代から60代の男女330人を対象に、5月1日から2日にかけてインターネットで調査した。
今後の中国市場での事業展開方針を尋ねたところ、「現状の事業規模を維持する予定」が39.4%で最も多く、「事業規模を縮小して継続する予定」が29.1%、「事業規模を拡大する予定」が20.9%だった。これらを合わせると89.4%となり、およそ9割が中国市場から撤退する予定はないと回答した。一方、「中国市場から撤退する予定」は9.7%にとどまった。
中国事業における最大の課題や懸念事項では、「中国国内での価格競争・品質競争の激化、輸入品の優位性の低下」が24.2%で最多となった。次いで「中国国内での消費低迷」が19.1%、「中国国内での法規制の変化」が15.8%、「二国間のサプライチェーンおよび通関の不確実性」が15.2%だった。中国市場を巡っては、需要面だけでなく、通関や供給網の変動リスクも事業判断に影響している。
中国市場で事業を継続する理由では、「中国国内での売上・利益の確保」が42.4%で最も多く、「既存顧客・取引先との関係維持」が38.6%、「グローバルサプライチェーン上の拠点としての重要性」が33.9%と続いた。中国を単なる販売先としてではなく、調達、生産、販売、アジア展開を含む広域サプライチェーンの一部として捉える企業が多いことがうかがえる。
また、中国市場での販売実績やブランド認知が、他の海外市場、とくにアジア市場での事業展開に寄与しているかを尋ねたところ、「強く寄与している」が20.9%、「ある程度寄与している」が45.5%で、合計66.4%が一定の効果を認めた。
中国市場でのEC(電子商取引)販促やSNSマーケティングなどから得た知見を、日本国内や他国の事業展開に活用しているかについては、「積極的に活用している」が23.6%、「一部活用している」が48.2%となり、合計71.8%が活用していると回答した。
今後も中国市場で事業を継続する予定の担当者に、維持コストやリスクを抑えながら事業を継続するための手段を尋ねたところ、「サプライチェーンや調達網の見直し」が38.6%で最多だった。次いで「現地パートナー企業への業務委託の拡大」が29.8%、「中国現地法人のローカル化の推進」が27.1%、「不採算事業の縮小」が26.1%、「ターゲット層や販売チャネルの見直し」が25.8%だった。
調査結果からは、中国市場をめぐる競争環境や規制、通関・サプライチェーン上の不確実性を警戒しながらも、多くの企業が撤退ではなく、規模や運営体制の見直しによって事業継続を選んでいる実態が浮かび上がった。
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