調査・データ厚生労働省は5月27日、2025年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況を公表した。死亡者と休業4日以上の業務上疾病者を合わせた死傷者は1803人となり、前年から546人、43%増加した。05年の統計開始以降で最多となった。一方、死亡者数は19人で、前年から12人、39%減少した。
同省は、25年6-8月の平均気温偏差が+2.36度となり、統計開始以来最高を記録したことが死傷者数増加の一因とみている。死亡者数の減少については、25年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則により、熱中症のおそれがある作業時の報告体制整備や重篤化防止手順の作成、関係作業者への周知が義務付けられたことが一定の効果を上げたと分析している。
業種別では、25年の死傷者数は製造業が365人で最多、建設業が292人で続いた。運送業は220人で、前年の186人から増加した。死亡者数では建設業が5人で最も多く、警備業が3人、製造業、商業、農業が各2人だった。運送業では1人が死亡している。
21年から25年までの5年間で見ると、死傷者数は計5554人。業種別では製造業が1063人、建設業が1038人、運送業が742人となり、運送業は全体の13.4%を占めた。死亡者数は5年間で131人で、建設業が52人、警備業が18人、製造業が15人、運送業が7人だった。
月別では、25年の死傷者の72%が7月と8月に集中した。死亡者も19人中15人が7月または8月に発生している。時間帯別では午前中や15時前後の発生が多いが、日中の幅広い時間帯で被災している。作業終了後や帰宅後に体調が悪化し、夕方以降に死亡に至るケースも確認された。
年齢別では、25年の死傷者の52%を50歳代以上が占めた。死亡者は40歳代以上に集中し、50歳代以上で全体の84%に達した。
物流現場では、荷待ち、荷役、屋外作業、庫内作業、車両周辺での作業など、暑熱にさらされる場面が多い。WBGT値の把握、異常を早期に拾う報告体制、作業からの離脱や冷却、救急搬送までの手順を現場単位で実装できるかが、夏場の物流安全を左右する。
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