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5月倒産780件、運輸業は増加に転じる

2026年6月8日 (月)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は8日、2026年5月の全国企業倒産件数が780件だったと発表した。前年同月比8.9%減となり、25年11月以来6か月ぶりに前年同月を下回った。一方、負債総額は1211億9900万円で同34.0%増となり、大型倒産の発生が全体を押し上げた。

5月の最大倒産は、持株会社・不動産賃貸業を手がけるトーシンホールディングス(名古屋市中区)の159億9100万円で、会社更生法を申請した。負債10億円以上の倒産は22件と前年同月の10件から大幅に増加し、負債総額の増加要因となった。

一方で、倒産件数の減少にもかかわらず、中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増している。TSRによると、貸出金利の上昇が企業収益を圧迫し始めているほか、ナフサをはじめとする石油精製品の品薄や価格上昇が深刻化している。5月には中東情勢の影響を受けた倒産も2件発生した。

物流業界に関連する運輸業の倒産は35件で、前年同月比9.3%増となり2か月ぶりに増加へ転じた。燃料価格の上昇や車両関連コストの増加に加え、ドライバー不足への対応として人件費負担も拡大しており、中小運送事業者の経営環境は依然として厳しい状況にある。

また、人手不足関連倒産は37件と前年同月の23件から大幅に増加した。このうち人件費高騰による倒産は19件と前年同月の8件から倍増以上となった。従業員退職による倒産も9件発生しており、物流業界でも深刻化する労働力不足の影響が広がっている。

物価高関連倒産は64件で、6か月連続で前年同月を上回った。建設業やサービス業など労働集約型産業で増加が目立ち、物流業界も燃料費やエネルギーコスト、資材価格の上昇に直面している。価格転嫁が進まない企業では収益確保が難しく、資金繰りへの圧力が強まっている。

地域別では、九州が77件で前年同月比8.4%増となった一方、関東は294件で同7.8%減、近畿は183件で13.6%減となった。全国的には倒産件数が減少したものの、TSRは中東情勢の長期化や資源価格の上昇が続けば、中小企業の体力消耗がさらに進み、夏場に向けて倒産が再び増加する可能性があると分析している。

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