産業・一般ミスミは23日、構造計画研究所が東京都港区で開いた製造業向けイベント「KKE Vision for ものづくり 2026」で、生産間接材購買システム「D-JIT」(ディージット)による調達改革の成果を発表した。市場に散在するサプライヤー在庫をデジタル連携で可視化し、EC上で動的に供給力を提示する仕組みで、構造計画研究所のアルゴリズムを活用してサービスの高度化を進めている。

▲ミスミの加藤祐一氏(D-JIT MEグローバル展開推進室ジェネラルマネージャー)
従来の多段階流通構造では、製造業の顧客が求める部品が流通過程の卸や代理店、二次店などに散在しており、調達部門が複数の手配先をたらい回しにされ、見積もりや納期調整に1週間から1カ月を要する課題があった。ミスミは事態の解消に向け、グローバルで700社超のサプライヤーと在庫データを連携。顧客が注文する地域や数量に応じ、複数社の在庫を瞬時に組み合わせて供給力を最大化するシステムを構築した。結果はECの画面上にリアルタイムで表示され、大量注文でも待ち時間なく購入できる。
24年の本格展開以降、購入可能数量はベアリングの例で100個から800個に拡大。ECの手軽さを維持しながら大量発注に対応したほか、手作業で9時間かかっていた見積もり回答時間はワンクリックで完了する仕組みへと移行し、調達納期も従来の4分の1となる2日以内に短縮した例が紹介された。システムで連携する在庫金額は500億円から6000億円まで拡大している。ユーザーのエヌテック(徳島県鳴門市)は、部品調達における複数サプライヤーとの交渉負担が軽減し、生産計画の精度向上につながったと報告している。
在庫連携に加え、受注生産を行うサプライヤーの稼働率や着荷納期といった生産データの連携も進めている。10の45乗通りに上る膨大な組み合わせから最適なサプライヤーを導き出す計算工程において、イベント主催者である構造計画研究所が支援したアルゴリズムを採用した。調達コストの最小化に目的を絞り込むことで計算時間を短縮し、長納期を選択した顧客に最大50%の割引を適用するサービスの実用化につなげた。自然災害や紛争などの有事においても安定した供給網を維持する社会インフラとして、システムの機能を強化していく。
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