行政・団体警察庁は10日、全日本トラック協会にテロ対策の協力を依頼し、重大事件を踏まえた「ローン・オフェンダー」によるテロを未然に防ぐ構えだ。具体的には、配達中に異音や異臭などの不審な情報を把握した際、警察へ情報提供を行うよう求めている。

▲(左から)全日本トラック協会の土屋文昭部長、警察庁のローン・オフェンダー等対策室の岡村雅人副室長
過去の事件において、犯人が自宅などで手製銃や爆発物を製造・保管していたことから、警察庁は工作音や異臭の早期把握によって事件を防げた可能性を指摘している。
警察庁警備局公安課ローン・オフェンダー等対策室の岡村雅人副室長は、特定のテロ組織と無関係に過激化した個人を単独犯と定義し、個人で動くために警察の力だけでは実態を完全に把握しきれないと説明した。安倍晋三元首相や岸田文雄元首相を狙った事件に類似する単独犯対策を強力に推進する上で、全国を回る民間事業者の協力が必要不可欠となる。
警察庁はドライバー向けの啓発チラシを作成して活用を促しており、薬品や火薬の臭いがするなどの不審点に気づいた際の通報を呼びかけている。金属音や工作音が聞こえたり、対応する人が毎回異なったりするケースに加え、異常に重い衣類の荷物や、頻繁な空き家への置き配依頼などについても注意喚起を行う。
岡村副室長は「通報や調査の義務を生じさせるわけではない」と説明し、日々の業務の中で少しでもおかしいと感じた際には、警察相談専用電話や最寄りの警察署へ気軽に連絡してほしいと訴えた。

▲啓発チラシでの活用を説明する全日本トラック協会の土屋文昭部長
一方、協力依頼を受けた同協会は、全国47都道府県の協会に周知するとともに、物流ネットワーク委員会を通じて各事業者へ順次連絡する方針を示した。
ドライバー向けチラシを活用し、現場の末端まで情報を行き渡らせる構えだ。同協会の輸送事業部長である土屋文昭氏は、爆発物などの製造部品が宅配便で届く危険性を指摘し、「通常の住宅ではあり得ない臭いや音が重要な不審点になる」と語った。
配達先は顧客であるため、不審に思っても行動に移すハードルは高いと説明しつつも、気軽な通報の呼びかけがそのハードルを下げるという見解を示している。警察庁は同時期に他の宅配業界団体にも同様の協力を依頼しており、テロ未然防止に向けた網の目を広げていく。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。




























