ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

EU、少額輸入品課税の実務指針公表

2026年6月11日 (木)

調査・データ欧州委員会税制・関税同盟総局(DG TAXUD)は10日、7月1日から導入する少額輸入貨物向けの「1件あたり3ユーロ」の暫定関税に関するガイダンスを公表した。これまで適用されていた150ユーロ以下貨物の関税免除制度を廃止し、新たな定額課税へ移行するもので、越境EC(電子商取引)事業者や物流事業者、通関業者に実務対応を求める内容となっている。

新制度は、2026年2月に採択されたEU規則に基づく措置で、貨物価値150ユーロ以下の輸入品に対し、品目ごとに3ユーロの関税を課す。適用期間は28年7月1日までで、その後はEU関税データハブの本格稼働を前提に、通常の関税制度へ移行する計画だ。

対象となるのは、EU域外から消費者向けに販売される越境EC貨物(距離販売)で、IOSS(輸入ワンストップショップ)制度利用の有無にかかわらず適用される。従来の150ユーロ免税制度は、電子データによる申告環境が整った現在では維持する合理性が薄れ、一部事業者に競争上の優位を与えているとの判断が背景にある。

ガイダンスでは、距離販売の定義や不正回避防止規定、申告者の責任範囲、関税債務、保証金制度、返品時の取り扱いなどを詳細に説明した。特に注目されるのが「申告者カスケード」と呼ばれる責任体系だ。IOSS利用者や特別納税制度利用者、その間接通関代理人が優先的な申告責任者となり、最終的に消費者が申告者となるのは限定的なケースに限られる。

物流事業者や通関業者にとって影響が大きいのは保証金管理の強化だ。大量の低額貨物を扱う事業者は、3ユーロ定額課税を前提とした包括保証の設定や管理が必要となる。EU当局は、季節変動による取扱量増加も見据え、事業者自ら保証枠を適切に監視するよう求めている。

また、11月1日からは新たに商品識別番号(PID)の提出が義務化される。7月1日から任意提出が始まり、ECプラットフォームが付与する識別番号やメーカー独自の商品番号、国際標準コードなどを通関時に申告する。EU当局は、低価格輸入品の多くが製品安全基準を満たしていないとの調査結果を踏まえ、商品の追跡性向上とリスク管理強化を狙う。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。