調査・データ中国日本商会は11日、「中国経済と日本企業 2026年白書」を公表した。中国各地の日系企業が直面する課題をまとめ、中国の中央・地方政府との対話に活用するもので、2010年から毎年作成しており、今回で17冊目となる。
26年版は、中国日本商会と中国各地の商工会組織に所属する日系企業の法人会員8102社を対象に意見を募り、全27章、572の建議で構成した。対象分野は貿易、投資、競争法、税務・会計、労務、知的財産権、省エネ・環境、物流、政府調達などの共通課題に加え、食品、化学、自動車、運輸、流通・小売、金融、観光など幅広い産業に及ぶ。
全体コンセプトには「予見性・透明性と公平性の向上によるビジネス機会の確保」を掲げた。建議の柱は、行政手続きの簡素化や制度運用の統一を柱とする「行政の予見性・透明性向上と円滑化」、内外資企業への公平な待遇を重視する「公平な競争」、外資参入制限の緩和などを掲げる「対外開放」の3点だ。
重点分野には、安定的な日中関係に向けた環境づくり、予見性・透明性・公平性を備えたビジネス環境整備、持続的成長に向けた経済活性化を位置付けた。貿易分野では、レアアース関連措置やデュアルユース品目の対日輸出管理強化を巡り、明確な基準の提示と実務上の円滑な運用を要望。税関規則の解釈統一や海関総署との対話機会の構築にも言及した。
物流関連では、低温物流技術の活用を進めるための規制見直しなどを建議項目に含めた。中国市場は日系企業にとって重要な収益源である一方、制度運用の不透明さや内外資間の競争条件の差は投資判断に影響する。白書では、日中間の政治・外交課題が企業活動に波及しない環境づくりや、政府間対話の継続にも期待を示している。
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