行政・団体日本労働組合総連合会(連合)は23日、公正取引委員会と中小企業庁に対し、「取引の適正化」の実現に向けた要請を行った。2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)の効果検証に加え、取適法の対象外となる取引への対応、中東情勢による燃料油や石油製品の価格上昇が中小企業や労働者にしわ寄せされないよう、監視と支援の強化を求めている。
連合は、26春季生活闘争で全体の賃上げ率が5%台となり、中小組合でも引き上げ額が前年同時期を上回っていると説明。そのうえで、賃上げを継続するには、サプライチェーン全体で生み出した付加価値を適正に分配し、労務費や原材料費、エネルギーコストを価格へ反映できる取引環境が欠かせないとの認識を示した。

▲要請書手交の様子(出所:日本労働組合総連合会)
公正取引委員会には、価格交渉促進月間のフォローアップなどを通じて取適法の効果を測定し、価格交渉や価格転嫁の実態を把握するよう要請した。あわせて、連合構成組織や加盟組合との意見交換機会の継続、取適法の適用対象外となる取引を含めた実効的な対応を求めた。中東情勢の影響については、燃料油や石油製品をはじめとする供給不安や価格高騰が、価格転嫁や取引適正化の進展を妨げないよう、迅速な政策対応を求めている。
これに対し公取委側は、物価上昇を上回る持続的な賃上げに向けて協力する考えを表明。価格転嫁円滑化・支払適正化に関する調査を始めており、取適法の対象外取引も含めて情報収集を進め、違反行為には迅速に対応すると説明した。中東情勢を受けた石油関連製品などの価格転嫁状況についても、緊急調査で把握する方針を示している。
中小企業庁への要請では、同様の取引適正化に加え、中小企業や小規模事業者への各種支援策の維持・強化、利用しやすい環境整備、切れ目のない伴走支援を盛り込んだ。補正予算頼みによる財源確保の見直しにも言及している。
中企庁側は、措置請求件数や指導件数が増加傾向にあると説明した。取適法の対象外取引では、中小企業同士の取引やサプライチェーンの階層が深い取引が多いとして、振興法や独占禁止法ガイドラインを活用しながら商慣習の是正に取り組む考えを示した。金型保管など業界ごとに根深い課題が残ることにも触れ、地方の官公需を含め、関係省庁と連携して対応を進めるとしている。
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