調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は29日、「物流2024年問題の影響と現状に係る実態調査」の結果を公表した。2025年4月以降の状況について、前回調査との比較を通じ、荷主企業と物流事業者の意識や対応の変化を調べた。調査期間は26年3月3日から10日までで、荷主企業、物流事業者など299人から回答を得た。
25年度の営業用貨物自動車を使った輸送状況では、前回調査と比べて「増える」との回答割合が全体で1.6ポイント低下し、「減る」は2.9ポイント上昇した。「引き続き運べている」との回答も1.4ポイント減少し、「運びにくくなった」は0.4ポイント増えた。表面上は輸送を継続できている企業が多いものの、その裏側ではスポット便の利用、リードタイム延伸、傭車に出す頻度の増加などで対応している実態がある。
24年問題への対応では、ドライバーの荷待ち時間、荷役時間とも短縮傾向はみられるが、約半数は「変わらない」と回答した。出発地の荷待ち時間は短縮の動きが比較的進んでいる一方、荷役時間や検品時間は「変わらない」の割合が高く、現場改善の進み方には差がある。到着地側では「わからない」とする回答も目立ち、発荷主側に比べて着荷主側の実態把握が弱い状況も示された。
法制度への対応では、改正物流効率化法の施行を受け、半数の回答者が荷待ち時間などの現状を把握したうえで対策を講じている。一方、法改正を認知しながらも特段の対応をしていない回答者が13.2%あった。制度対応が進む企業と、認識にとどまる企業の差が出始めている。
物流統括管理者(CLO)をめぐっては、特定荷主・特定連鎖化事業者のうち31.2%がCLOを選任し、中長期計画策定に向けた準備ができていると回答した。ただし、7割は中長期計画の準備が整っていない。CLOの職位は役員級の兼務が47.4%と最も多く、役員級の専任は6.2%にとどまった。部長級以下を選任予定とする回答も17.1%あり、そのうち35.4%は中長期計画策定の準備ができていない。
前回調査では、24年度の営業用貨物自動車輸送について、製造業と流通業では「引き続き運べている」との回答が多かった一方、物流業では「運びにくくなった」が目立った。地域内輸送では、製造業と物流業の4-5割が運びにくくなった、または運べなくなった地域があると回答し、関東、近畿、中国、九州が深刻な地域として挙がった。地域間輸送では、発地は関東、近畿、北陸信越、中部、着地は近畿、中国、九州、中部が上位となり、西日本向けで課題が出やすい傾向があった。
輸送モード別では、鉄道輸送と内航船舶輸送で利用量が増えたとの回答が一定数あった。前回調査では、鉄道輸送を利用する事業者のうち29.4%が輸送量が大きくなったと回答し、製造業では35.6%だった。内航船舶も利用者の29.4%が増加と答え、製造業では37.3%に上った。トラック輸送の制約を受け、製造業を中心に鉄道や内航船へのシフトを進める動きが続いている。
一方、積載効率の改善は限定的だ。前回調査では、出発地の積載率が大きくなっているとの回答が全体で28.0%、ロードファクターが大きくなっているとの回答が20.6%だった。積載率やロードファクターを高めた企業の多くは「引き続き運べている」と回答しており、輸送力不足への対応には、荷待ち削減だけでなく、積載率向上や共同配送、モード転換を組み合わせる必要がある。
今回の調査は、24年問題が単純な「運べる・運べない」の段階を越え、コスト増、運用負荷、リードタイム、法制度対応の問題に移っていることを示している。荷主側にはCLO選任や中長期計画の策定が求められるが、実務面では到着地の荷待ち・荷役の把握、KPI管理、物流事業者との条件調整がなお途上にある。制度対応を出発点に、現場データを基にした継続的な改善へ移れるかが次の課題となる。
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