行政・団体公正取引委員会は8日、給湯器などを製造販売するノーリツに対し、改正前の下請法に基づく勧告を行った。下請事業者41社に貸与した金型について、部品発注を長期間行わないにもかかわらず、保管費用を負担せずに保管させていたとして、不当な経済上の利益の提供要請に当たると判断した。
公取委によると、ノーリツは2018年12月から23年5月までの間、自社が販売する給湯器などの部品製造を下請事業者41社に委託していた。その際、同社が所有する金型を貸与していたが、遅くとも23年6月以降、これらの金型を使う部品の発注を長期間行わないまま、計5242型の金型を下請事業者側に無償で保管させていた。
金型は製造委託取引で発注者側の仕様に基づく専用設備となる場合が多く、保管場所や管理負担が下請事業者側に残りやすい。物流・保管の観点でも、発注が止まった後の金型や治具、部材の扱いは、倉庫スペースや棚卸し管理、廃棄判断に影響する。
公取委はノーリツに対し、金型を保管させていたことによる費用相当額を、公取委の確認を得た上で下請事業者に速やかに支払うよう求めた。あわせて、同様の行為を行わないことを取締役会で確認し、役員や発注担当者への研修など社内体制の整備を講じること、取引先中小受託事業者への通知、実施措置の報告も求めている。ノーリツは不利益額の支払い手続きを進めているという。
下請法は25年改正により、26年1月から「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)に改称された。25年12月までの製造委託には改正前の下請法が適用されるため、今回の勧告も改正前の規定に基づいている。
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