国際万国郵便連合(UPU)は8月30日、世界の郵便事業者による越境EC(電子商取引)への対応力を高める新たな運用改善プログラム「ORE Plus」を開始したと発表した。実施期間は2026年から29年まで。郵便業務の基礎的な改善にとどまらず、システム間の相互運用やサプライチェーンとの統合、税関手続きとの連携、中小・零細事業者の貿易参加支援まで対象を広げる。
前身の「ORE 3」は22年から25年にかけ、世界各地域の指定郵便事業体150社以上を支援した。多くの地域で荷物の一貫追跡率が80%以上となり、データ品質の適合率は地域別に30─65ポイント改善。輸送日数を6─12日短縮したほか、一部の国では輸入通関を数日から数分へ短縮した。アフリカでは国際スピード郵便(EMS)の定時運行率が33.9%から79.3%へ上昇し、輸入通関時間も69時間から0.42時間に縮まった。

(出所:万国郵便連合)
一方、返品管理やECモール、デジタル決済との接続は十分に進まず、カリブ海地域やアフリカ、中南米の一部では輸送網の不足も残った。事業者間で電子データの完全性に差があるほか、小国や後発開発途上国ではインフラ整備が引き続き課題となっている。
ORE Plusは、業務診断と人材育成、事業者間の知見共有、共通指標に基づく標準化の3本柱で構成する。新たな認証制度も設け、定期的な監査と業績評価を通じてサービス品質を検証する。女性が経営する企業を含む中小・零細事業者の市場参入支援も盛り込んだ。
26年は基礎評価の完了や各国推進チームの設置、研修、業績管理ダッシュボードの導入を進める。27年から28年に本格展開し、29年に最終評価と認証を実施する計画だ。
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