荷主イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は1日、東京都江東区の「アーバンドックららぽーと豊洲」にオープンする新店舗「IKEA豊洲」の内覧会を開催した。銀座から電車で5分、駅直結という良好なアクセスを誇る同店は、全9500点の商品ラインアップから厳選した600点をコンパクトな空間に集約した店舗である。これまでにイケアは日本国内で大型店舗や都心型店舗など16店舗を展開し、商品受け取りセンターも全国に800か所(東京圏内に320か所以上)設けてきた。新店舗となるIKEA豊洲は、これら既存の店舗や物流ネットワーク、オンラインストア、公式アプリを有機的に結びつけるオムニチャネル販売のフラッグシップおよびアンテナショップとなる。

▲東京都江東区のアーバンドックららぽーと豊洲に開店するIKEA豊洲
都心部や子育て世代との新たな接点創出を目指す同店は、東京圏における3700万人以上の巨大なマーケットに向けて、店舗・デジタル・物流インフラが一体となった新たなリテールモデルを提示する。イケア・ジャパン東日本エリアマネージャーのリュウ・ナ氏は、豊洲への出店理由について、「アクセスの良さや子育て世代の居住ポテンシャルに加え、物流のしやすさを総合的に判断した結果」と説明する。売り場をショールーミングおよび小物販売に絞り込み、大型商品の配送・保管・受け取りを外部ネットワークと連携した受け取りセンターに担わせる本スキームは、都市型店舗におけるラストワンマイルの効率化と利便性向上を両立する試みといえる。

▲イケア・ジャパン東日本エリアマネージャーのリュウ・ナ氏
イケアが取り扱う家具をはじめとする大型商品は、購買者の自家用車による持ち帰りが困難なケースもあり、従来の宅配による個宅配送サービスだけでは顧客側の配送コスト負担や再配達問題、さらには物流側の配送キャパシティーひっ迫が課題となっていた。こうした課題を解決するため、同社は佐川急便などの提携運送会社と協力し、ほかの荷物と積み合わせる独自の物流ネットワークを構築してきた。取り置きや一時保管が可能な十分な敷地スペースを持つ運送会社の営業所を「商品受け取りセンター」として指定・整備することで、個別宅配に比べて低コストかつ利便性の高い受け取り環境を全国規模で実現している。

▲IKEA豊洲内観。店内には「フラットパック」と呼ばれるコンパクトな梱包を施された家具類も陳列される
今回開設されたIKEA豊洲自体は、店舗スペースの都合上、商品受け取り拠点としての機能は備えていない。しかし、高層マンションが林立し子育て世代が高密度に居住する湾岸エリアにおいて、顧客との強力なタッチポイント(接点)として機能する。従来、同エリアの住人が実物の家具を確認して購入する際には、比較的距離のある千葉県船橋市の大型旗艦店「IKEA Tokyo-Bay」まで足を運ぶ必要があった。これに対しIKEA豊洲は、店頭に500点の当日持ち帰り可能な生活雑貨やコンパクト家具を揃えるとともに、豊洲エリアのマンション暮らしを想定した5畳のリビング・ダイニング空間展示を設けることで、まず実店舗での直感的なインスピレーションと購買意欲を喚起する。
同店の真の狙いは、店頭に並びきらない大型商品や色違いのラインアップについて、店頭のサポートエリアや公式アプリ経由でオンライン注文させ、江東区内に12か所存在する既存の「商品受け取りセンター」の活用を促すことにある。大型店舗まで出向かなくとも、近隣の受け取りセンター経由で手軽かつ低コストで商品を入手できる仕組みを顧客に体感してもらうことで、これまで認知度の低かった受け取りセンターの利用率向上と定着を図る。
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