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常石造船、ばら積み船のメタノール改造検証

2026年10月13日 (火)

調査・データ常石造船(広島県福山市)は13日、既存のばら積み貨物船をメタノール二元燃料船に改造する共同研究プロジェクトについて、検証結果をまとめたレポートを紹介した。主力船型の「KAMSARMAX」を対象に、燃料タンクの配置や船体への影響、改造費用などを分析し、既存船の脱炭素化に向けた技術的・経済的な実現可能性を検討した。

共同研究は、Mærsk Mc-Kinney Møller Center for Zero Carbon Shipping(MMMCZCS)が中心となって進めたもの。従来の重油を使用する載貨重量8万2000トン級のばら積み船を対象に、メタノール二元燃料船への改造を検証した。

海運業界では2050年のカーボンニュートラル実現に向け、新造船への次世代燃料導入だけでなく、既存船の温室効果ガス排出削減も課題となっている。KAMSARMAXを含む載貨重量6万-9万9000トン級の中型ばら積み船は、世界のばら積み船隊の28%を占め、2018年時点で6300万トンの温室効果ガスを排出した船型とされる。

研究では、メタノール燃料タンクの配置、燃料供給システム、船体構造や復原性への影響、安全性評価、改造工法、経済性などを総合的に検討した。メタノールは従来燃料よりエネルギー密度が低く、大型の燃料タンクが必要となるため、貨物積載能力への影響を考慮しながら配置を検討した。

設計コンセプトについては、日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得しており、技術的な成立性と安全性が確認されている。

レポートでは、改造工事期間を75日、改造費用を従来の重油燃料を使用する新造船価格の25-30%と分析した。可能な限り改造工事を事前にモジュール化・オフライン化することで、ドック期間やオフハイヤー期間の短縮についても検討している。

常石造船は今後、新造船の開発に加え、既存船のレトロフィットを含む脱炭素化対応を進める。次世代燃料技術や環境負荷低減技術の開発を通じ、船舶のライフサイクル全体を見据えた取り組みを進める方針だ。

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