イベント物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現には、技術やソリューションの連携だけでなく、それらを活用する荷主企業の経営改革が欠かせない。CLO(物流統括管理者)の設置義務化によって、物流を経営課題として捉える動きが広がるなか、企業や部門の壁を越えた連携をどこまで具体化できるかが問われている。
本誌LOGISTICS TODAYは「第4回物流DX会議2026」の模様を、28日から30日までの3日間にわたり「物流DXウィーク」としてオンライン配信。28日公開の特別セッション「CLO選任で経営はどう変わったか――発荷主・着荷主の対話で探る物流課題突破の切り札」では、日清食品の専務取締役業務変革推進部長兼サプライチェーン本部長兼組織開発部管掌の深井雅裕氏、梅の花グループ商品部副部長の三井田浩二氏が登壇した。LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長が進行を務めた。
これまでの物流DX会議では、主にソリューションベンダーからの問題提起や、技術・サービス間の連携が議論の中心となってきた。しかし、個別の技術を組み合わせるだけでは、物流全体の最適化には限界がある。今回のセッションでは、CLO体制を通じた荷主企業の改革を視野に入れ、発荷主と着荷主、物流事業者を含めた広範な連携の必要性を掘り下げた。

▲(左から)日清食品・深井氏、梅の花グループ・三井田氏
発荷主の立場で気付いた物流の課題
梅の花グループは、外食・テイクアウト事業を中心に、全国の店舗へ商品を供給する物流網を構築してきた。これまでは主に商品を受け取る着荷主としての立場だったが、近年は外販事業にも注力。今年夏には山口市の加工拠点から卸売業者の物流センターなどへの納品を始め、発荷主としての物流業務を経験した。
そこで三井田氏が直面したのが、受発注業務の非効率さだった。
発注書の商品コードが統一されておらず、どの商品を出荷すればよいのか確認するところから始めなければならない。「すごく原始的だった」と振り返り、発注書のフォーマット整備など、取引先との情報共有の改善に着手しているという。
一方、着荷主としても新たな気付きがあった。同社は9つの業態を展開し、季節ごとに商品を入れ替えている。業態ごとに販売計画や納期情報が異なり、発荷主が必要なタイミングで商品を準備できるよう、情報を提供できているかが課題となる。
三井田氏は、発荷主の立場を経験したことで、情報を伝えるだけでなく、相手が活用できる形にすることの重要性を再認識したという。
着荷主起点で物流改革を広げる
日清食品の深井氏は、こうした課題の背景に、発荷主と着荷主の相互理解の不足があると指摘した。企業同士が輸配送を共同化する連携に加え、着荷主を巻き込んで商流や納品条件など垂直連携も見直すことによって、水平連携そのものをさらに広げられるとの考えを示した。
日清食品自身も、世界各国から資材を調達する着荷主としての側面がある。以前は資材メーカーに厳しい納期や発注ロットを求めていたことに気付き、現在は各工場の発注を本部に集約し、可能な限りまとめて注文する取り組みを進めているという。
さらに深井氏は、サプライチェーン改革の出発点として、小売業者との商談や商品カテゴリー管理に着目する。
小売業者と販売計画を共有し、そのデータを生産計画や製造スケジュール、物流手配へと連動させることができれば、発注から納品までの無駄を減らし、関係する企業全体の効率化につながる。
物流の問題を物流部門だけで解決しようとするのではなく、商流から情報を共有し、サプライチェーン全体の仕組みを変える。着荷主起点の改革を進めることで、個社の最適化を超えた連携へと発展させる考え方だ。
深井氏は、発荷主と着荷主、物流事業者を単なる取引相手ではなく、消費者や社会に価値を届けるための「同じチーム」と捉える必要性を強調。価格や取引条件だけを議論するのではなく、互いが何を実現したいのかという目的を共有することが重要だと説いた。
両氏の議論で共通したのは、発荷主と着荷主のどちらか一方に改善を求めるのではなく、互いの事情や制約を理解し、よりよい仕組みをともに考える姿勢だ。
10月末に中長期計画の提出期限を迎えるなか、CLOに求められるのは、自社の物流改善にとどまらず、取引先を含めた改革を実行する力であり、荷主企業が主体となって物流DXの連携領域を広げることの重要性が示される議論となった。

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・10月27日更新版
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・10月27日更新版
配信期間:2026年10月28日(水)-30日(金)の3日間限定
※3日間集中配信「物流DXウィーク」
開催形式:オンライン配信(事前登録者限定)※セッション単位で視聴可能
参加費 :無料(事前登録制)
主 催:LOGISTICS TODAY
協 力:物流DXコンソーシアム
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