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第4回物流DX会議-物流DXウィークにJACCA登壇、DXによる越境EC拡大に期待

越境EC拡大、国内物流にも新たな商機

2026年10月29日 (木)

EC国内市場の縮小やインバウンド需要の拡大を背景に、海外の消費者へ商品を販売する越境EC(電子商取引)への関心が高まっている。一方、国内ECで実績を持つ事業者でも、国際発送や通関、関税、返品などへの対応には新たな知識と仕組みが必要になる。こうした課題を解決するデジタル技術の進化が、越境ECへの参入障壁を下げるとともに、物流事業者に新たな事業機会をもたらしている。

本誌LOGISTICS TODAYは「第4回物流DX会議2026」の模様を、28日から30日までの3日間にわたり「物流DXウィーク」としてオンライン配信。29日公開の特別セッションでは、日本越境EC協会(JACCA)代表理事の小松英樹氏が登壇し、越境ECを支える物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の可能性を語った。LOGISTICS TODAYの鶴岡昇平編集局副長が進行を務めた。

▲JACCA 小松氏

越境EC EXPOに高い関心

セッションではまず、JACCAとLOGISTICS TODAYが10月5日に開催した「越境EC EXPO 2026」を振り返った。

同イベントには282人が来場。EC事業者や販売事業者が全体の3割近くを占め、物流事業者や越境EC支援企業も多数参加した。会場には15の展示ブースが設けられ、AI(人工知能)による通関支援や台湾向け越境ECの相談など、具体的な事業展開に向けた情報交換が行われた。

小松氏は、越境ECに成功する企業がある一方、新規参入者が必要な情報やノウハウを得られず、同じ失敗を繰り返すケースもあると指摘。成功事例だけでなく、実務上の課題や失敗例を共有することの重要性を強調した。

通関・関税対応にもDXの効果

越境ECにおける物流DXの重要な領域の一つが、通関や関税への対応だ。

国内ECと異なり、海外への販売では商品の輸出可否や仕向地ごとの規制、関税などを確認する必要がある。リチウム電池を含む製品や規制対象となる成分を使用した商品など、販売後に輸送できないことが判明するケースもあるという。

小松氏は、こうした複雑な手続きを支援する技術として、AIを活用した税番判定や輸出可否の確認、関税計算などのソリューションを紹介。商品情報から必要な確認事項を整理できる仕組みが、越境ECの実務負担を軽減すると説明した。

関税を巡る制度変更への対応も重要になる。米国では少額輸入貨物の免税措置が見直され、従来は課税されなかった商品にも関税負担が生じている。販売時に税額を十分に反映していなければ、購入者への追加請求や受け取り拒否につながる恐れがある。

税額をあらかじめ算出して販売価格に反映する仕組みなど、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって対応できる領域は広がっているものの、事業者には各国の制度変更を継続的に把握する姿勢も求められる。

国内物流事業者にも広がる事業機会

小松氏が物流事業者に提案したのは、既存の物流基盤を生かした越境EC対応だ。

越境ECを始めるからといって、必ずしも新たな物流拠点や在庫管理の仕組みを構築する必要はない。現在利用している倉庫会社や物流事業者が国際発送に対応できるのであれば、まずはその仕組みを活用し、事業規模の拡大に応じて体制を見直していくことが現実的だという。

「越境ECは海外進出のための第一歩」と小松氏。事業の成長に伴い、現地在庫の保有や本格的な貿易取引などへ発展する可能性があり、その段階に応じて物流体制を最適化していくことが重要になる。

また、国内物流を中心に展開してきた倉庫会社などから、顧客の越境EC進出に伴って国際発送への対応を求められるケースが増えているという。

JACCAでは、こうした相談に対し、国際物流事業者や販売支援、決済、システム関連企業などとの連携を支援。実際に、国内発送のみを扱っていた物流事業者が国際発送に対応し、取引先を広げた例もあるとした。

返品対応も今後の課題だ。国によっては返品が一般的な購買行動となっており、返品物流を専門に扱う企業やサービスを活用することで、販売機会の拡大につながる可能性がある。

越境ECの普及は、国内の物流事業者にとっても、既存顧客へのサービス領域を国際物流へ広げる契機となる。小松氏は、JACCAを通じた事業者間の情報共有や連携を促すとともに、「越境EC EXPO」の次回開催にも意欲を示した。

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