M&A米国の人型ロボット開発企業アジリティ・ロボティクスは10月30日、特別買収目的会社(SPAC)のチャーチル・キャピタルXIとの経営統合に伴い、関連する資金調達を含めて総額4億6500万ドルを調達する見通しだと発表した。統合は11月2日の株主総会で承認され、4日に完了する見通し。翌5日から米ナスダック市場で「AGLT」の銘柄コードによる株式取引を開始する予定だ。調達資金を活用し、物流・製造現場向け人型ロボットの商用展開を加速する。
資金調達の内訳は、チャーチルXIの信託口座から1億6400万ドル、鴻海精密工業(フォックスコン、台湾)が主導する私募増資(PIPE)で2億100万ドル、経営統合発表後に受領した出資金1億ドル。統合後もアジリティ・ロボティクスの社名を維持し、既存株主は保有株式を統合会社の株式に移行する。
同社は二足歩行型の人型ロボット「Digit」(ディジット)を開発し、物流倉庫や製造工場での反復作業の自動化を進めている。物流分野では米GXOロジスティクスとの協業を拡大し、既存の導入先に加えて新たに2施設でDigitを展開する計画だ。製造分野でも農業機械大手AGCO(米国)と商用契約を締結し、2027年に実証を開始する予定。自動車、航空宇宙、防衛、物流、消費財などの分野で30社を超える見込み顧客を抱える。
9月15日に発表した新型機「Digit 5」は、人と同じ作業空間での稼働を想定し、対応可能な産業用途を広げた。27年上期に先行顧客への納入を始め、同年末までの一般販売開始を目指す。同機種については、複数年契約に基づく受注額が3億ドルを超える。ただし、契約上の条件達成などを前提とした金額で、現時点の売上高を示すものではない。
同社にはエヌビディア、アマゾン、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2、フォックスコンなどが出資・協力している。人型ロボットの導入が実証段階から商用運用へ移行するなか、今回の資金調達を通じて生産能力や導入支援体制を拡充する。
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