財務・人事川崎汽船は4日、2027年度から31年度までの5年間を対象とする新たな中期経営計画を発表した。海上輸送を軸に物流やエネルギーサプライチェーン、海洋関連などの周辺領域へ事業を拡大する。期間中の投資額は1兆1000億円、株主還元は7000億~8000億円を計画。31年度に自己資本利益率(ROE)15%以上、自営事業の最終利益1200億円以上に上積みすることを目指す。
新計画では、船舶の運航管理や物流、エネルギー関連事業で培った機能を組み合わせ、収益基盤を強化する。現場での運航・輸送管理を通じて蓄積した「統合運用力」を競争力の源泉と位置付け、既存事業の収益性向上と周辺事業の拡大を進める。31年度には投下資本利益率(ROIC)7.5%以上、自己資本比率40~50%程度を目標に掲げた。
5年間の営業キャッシュフローは1兆~1兆1000億円を見込み、投資による支出を1兆1000億円、投資による収入を2000億円とする。差し引きの投資キャッシュフローは9000億円の支出を計画する。株主還元では1株当たり年間120円の配当を基本とし、追加配当や自己株式取得による機動的な還元も実施する。
同時に策定したAI・デジタル戦略では、データとAIを活用して船舶運航や輸送業務の管理機能を高度化する。21年12月に策定した従来のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略を発展させ、安全で確実な輸送の実現に向けた業務変革を進める。具体的な施策や投資規模については、今回の発表資料では明らかにしていない。
環境分野では、2050年までに自社活動とサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロとする目標を改めて示した。中間目標として、35年までにCO2排出効率を24年比40%改善する方針を設定した。
川崎汽船は海運事業を中核としながら、物流やエネルギー分野への事業展開とデジタル技術の活用を進め、収益源の多様化を図る。
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