荷主日本製紙は6日、2026年の熊本地震で甚大な被害を受けた八代工場(熊本県八代市)について、グラフィック用紙・パルプ事業を終了すると発表した。生産設備や建屋が広範囲に損傷し、復旧には3~4年の工期と多額の費用を要することから、原状復旧は困難と判断した。被災により停止している抄紙機やパルプ生産設備は再稼働せず、他工場への生産移管や外部委託を進める。
稼働再開を断念するのは、上質紙を生産する4号抄紙機、上質紙・PPC用紙を生産する6号抄紙機、新聞用紙・PPC用紙を生産するN1抄紙機の3基。年間生産能力は合計21万1000トンとなる。八代工場で生産していた製品は、供給への影響を考慮しながら国内の他工場に移管するほか、一部は他社への生産委託または生産終了とする。
同工場で計画していた家庭紙事業についても、設備建設工事を一時停止し、建設スケジュールや事業性を再検討する。方針は2026年度中に決定する予定だ。
一方、八代工場の敷地33万平方メートルや水・電力などのインフラ、八代港を利用できる物流面の優位性、九州地域で構築してきた国産材の調達網を生かし、新たな事業の可能性を探る。他社との協業も視野に入れ、幅広い分野から事業パートナーを募る。従業員についてはグループ内での配置転換などによって雇用確保を図り、協力会社への影響についても個別に協議する。
同日、2027年3月期の通期連結業績予想も公表した。売上高は1兆2200億円、営業損益は50億円の赤字、最終損益は400億円の赤字を見込む。中間期には八代工場の震災関連損失151億円を特別損失に計上し、通期では200億円を見込む。
さらに、連結子会社の日本ダイナウェーブ・パッケージング(NDP、東京都千代田区)の工場で発生したタンク倒壊事故に伴い、通期で110億円の災害損失を見込む。NDPは操業休止の影響などで210億円の営業赤字となる見通しだ。事故に関連する訴訟や当局調査に伴う追加的な業績影響は、現時点で見通せていない。
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