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国交省、「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を発表

重量超過大型車対策、違反者を行政処分対象に追加

2014年5月9日 (金)

行政・団体国土交通省は9日、「道路の老朽化対策に向けた大型車両の通行の適正化方針」を発表した。適正利用者に対するインセンティブ施策と、違反者に対する厳罰化が柱で、今年度から貨物自動車運送事業法に基づく行政処分対象に追加し、荷主に対する是正指導も検討する。

道路の老朽化対策が喫緊の課題となる中、0.3%が違法に重量を超過した大型車両が、道路橋の劣化に与えている影響は全交通の9割を占めているとして、「一部の違反車両が道路を劣化させる主要因になっている」と指摘。

重量超過大型車対策、違反者を行政処分対象に追加

そこで、車両の大型化に対応した許可基準の見直し、適正利用者に対する許可手続きの簡素化といった緩和策を打ち出す一方で、悪質な違反車に対しては、厳罰化によって大型車両の通行の適正化につなげる。

具体的には、通行許可の基準見直しと許可審査手続きの改善策として、今年度中に、バン型などセミトレーラ連結車の駆動軸重の許可基準を国際課以上コンテナセミトレーラと同じ11.5トンに緩和するほか、45フィートコンテナ積載車両やバン型のセミトレーラ車両の車両長制限を緩和。

さらに、許可までの期間を短縮する施策として、主要道路情報のデータベース化促進、通行許可オンライン申請システムの改良・普及促進を継続。これらに加えて、今年度から大型車両を誘導すべき道路の範囲を拡大しつつ、国による一括審査を実施する。

また、2015年度からは「違反実績のない者」に対して現行2年の許可期間を延長できるよう準備を進め、16年度からはITS技術を用いた通航経路の把握による通行許可の運用できるようにする。

一方、違反取り締まりや違反者への指導については取り組みを大幅に強化。今年度から取締強化策の一環として自動計測装置を増設するほか、基準の2倍以上となる重量超過など、悪質な違反者に対し、現地取り締まりで違反を確認した場合は即時に告発。また、改正道路法に基づいて違反者に対する報告徴収・立入検査を実施し、これを拒んだ場合は告発する。

既に、13年度から国道事務所に呼び出して是正指導を行い、常習的な違反者に対しては、措置命令4回か是正指導5回で告発する運用を実施している。

これらの取り組みの実効性を高めるため、13年度から警察庁、高速道路会社、全日本トラック協会と連携し、道路の適正利用を図るための連絡会を設置。荷主を含めた啓発活動や、違反者情報の共有に取り組んでいる。

今年度からは、日本高速道路保有・債務返済機構と高速道路会社6社に対し、取り締まり強化と違反者に対する指導の強化を検討するよう指示。自動車局と連携し、違反通航を行った運送事業者に対し、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分を行うとともに、荷主に対する是正指導を行うための検討を進める。