拠点・施設メルセデス・ベンツ日本(MBJ、東京都港区)は29日、愛知県豊橋市に新車整備センター(VPC)を新設し、8月18日から上組に委託して操業を開始すると発表した。
これにより、同社の物流拠点は日立VPC(茨城県日立市)と合わせて2拠点体制となり、国内でメルセデス・ベンツの安定供給と円滑化を実現する。
MBJは2009年まで日立と豊橋の2拠点体制で新車整備を行っていたが、VPCの整備能力向上と当時の市場環境、販売状況を踏まえ、10年に日立1拠点に集約した。
一方、10年以降の販売実績は4年連続で前年実績を上回り、昨年は5万5000台を超えて過去最高台数を記録。今後の商品の多様化に対応するため、「新車整備能力の拡張が急務」と判断し、豊橋にVPCを新設することにしたもの。
豊橋VPCの新設により、新車整備能力が現行の1拠点体制から3割向上するほか、物流の効率化と合わせて顧客へのデリバリー時間を短縮できるようになる。
豊橋VPCの新車整備業務は、これまで培ってきたMBJの新車整備ノウハウに加え、輸入車整備、物流分野で豊富な経験を持つ上組に業務を委託し、2社のパートナーシップで高品質な商品供給を行う。また、インポーターとして初めて、新車を購入した顧客に整備完了直後の車両を直接納車する「デリバリーコーナー」を併設する。
豊橋市が中心となって提案し、昨年4月に規制緩和の形で実現した、全国のナンバープレートの封印取付けが可能な制度をいち早く活用する。これにより、顧客は新車をVPCから運転して帰ることが可能になる。また、メルセデスブランドをより身近に感じてもらう新たな取り組みとして、VPC施設の見学受け入れも計画しているという。